2002 Fiscal Year Annual Research Report
スキルス胃癌の腹膜播種性転移およびリンパ節転移の病態解明と治療
Project/Area Number |
13470260
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
平川 弘聖 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40188652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八代 正和 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60305638)
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Keywords | 増殖活性 / 線維芽細胞 / ICAM-1 / 腫瘍免疫 / 遺伝子治療 / リンパ筋転移 |
Research Abstract |
1.スキルス胃癌の発育進展に,胃由来の線維芽細胞から産生される増殖促進物質がparacrine的に作用していることが明らかとなった.この増殖促進物質は,熱処理で失活し,HPLCで10KDaに増殖活性を示したことより,分子量10KDaの蛋白と考えられた. 2.癌細胞に発現するICAM-1は,白血球に発現するLFA-1との接着を介して腫瘍免疫に関与していることが知られている。そこで,マウスリンパ節転移モデルを用い,癌細胞にICAM-1遺伝子を導入することによるリンパ節転移抑制効果を検討した。胃癌リンパ節転移株OCUM-2MLN(以下2MLN)にICAM-1遺伝子をリポフェクション法にて導入し,ICAM-1高発現株2MLN/ICAMを樹立した。この2つの細胞株を用いて末梢血単核球(以下MNLs)との接着率,MNLsによるcytotoxicityについて検討を行った。MNLsの接着率は2MLNおよび2MLN/ICAMに対し,30分間でそれぞれ0%,31.5%,60分間で0.01%,81.8%であり,2MLN/ICAMに対する接着率が有意に高かった。MNLsによるcytotoxicityは,2MLNに対しては12,24,36時間後にそれぞれ7.37%,32.57%,35.55%,2MLN/ICAMに対しては16.19%,48.83%,62.3%であり,いずれの時点においても2MLN/ICAMに対するcytotoxicityが有意に高かった。胃癌細胞へのICAM-1遺伝子の導入はリンパ節転移に対し高い抑制効果が認められた。
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[Publications] 八代正和, 平川弘聖: "胃癌診断のコツ-遺伝子診断-"胃癌診療の基本(中山書店・初版). 113-120 (2003)
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[Publications] 八代正和, 平川弘聖: "間質細胞との相互作用からみたスキルス胃癌の分子標的治療"Surgery Frontier. 9. 95-100 (2002)
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[Publications] Tanaka H, Yashiro M, Hirakawa K: "Lipid-mediated gene transfection of intercellular adhesion molecule-1 suppresses the peritoneal metastasis of gastric carcinoma"International Journal of Molecular Medicine. 10. 613-617 (2002)