2004 Fiscal Year Annual Research Report
スキルス胃癌の腹膜播種性転移およびリンパ節転移の病態解明と治療
Project/Area Number |
13470260
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
平川 弘聖 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40188652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八代 正和 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60305638)
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Keywords | スキルス胃癌 / 線維芽細胞 / ICAM-1 / 腫瘍免疫 / 遺伝子治療 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
線維芽細胞がスキルス胃癌細胞の増殖に及ぼす影響:スキルス胃癌細胞(KATO-III, OCUM-1, OCUM-2M)と線維芽細胞との相互作用を,高分化型胃癌細胞株(MKN-28, MKN-74)を対照として検討した.スキルス胃癌の増殖進展には,癌細胞周囲の線維芽細胞から産生されるkeratinocyte growth factorがparacrineに作用していた.そこで,線維芽細胞を抑制するTarnilastに注目し,スキルス胃癌治療への有効性を検討した.Tarnilast投与により,in vitro, in vivoいずれも,スキルス胃癌の増殖が抑制された.Tarnilastは,線維芽細胞からの増殖因子産生を抑制することで,4型胃癌特有の間質相互作用を阻害し,治療効果を示した.Tranilastは,将来4型スキルス胃癌の増殖進展の治療に有用と考えられた. ICAM-1遺伝子導入によるスキルス胃がん治療:スキルス胃癌細胞へのICAM-1遺伝子導入により、in vitroにおいて末梢血単核球との接着率は有意に増強し(P<0.05)、およびその細胞障害活性は有意に亢進した(P<0.05)。リンパ節転移モデルではAdICAM-1を接種することにより転移が有意に抑制され,組織学的検討によるとリンパ節転移結節周囲にNK細胞の存在が示唆された。アデノウイルスベクターを用いたICAM-1遺伝子導入は腫瘍抑制効果があり、またスキルス胃癌リンパ節転移に対する遺伝子治療の一つとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)