2001 Fiscal Year Annual Research Report
求心路遮断痛に対する大脳皮質運動領野電気刺激療法の作用機序に関する研究:大脳辺縁系の関与についてのc-fosを用いた検討
Project/Area Number |
13470281
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
高橋 敏夫 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (20206824)
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Keywords | 求心路遮断痛 / 中枢性疼痛 / c-fos / 頑痛症 / 脳脊髄電気刺激療法 |
Research Abstract |
本年度の研究経過: 【研究の背景・目的】求心路遮断痛の病態と大脳皮質運動領電気刺激療法の作用機序には不明な点が多い。これまでの我々の研究で、ネコ三叉神経遮断モデルにおいて、島・頭頂葉弁蓋部・帯状回にc-fosが発現することが判明した(現在、投稿中)。今回の研究は、ネコ三叉神経遮断モデルにおいて、大脳皮質運動領電気刺激療法時のc-fos発現の部位的な差を探ることにより、求心路遮断痛の病態と電気刺激療法の機序を解明することを目的としている。 【方法】頭蓋内硬膜外でネコ三叉神経を高周波凝固し、求心路遮断モデルを作製する。A群;コントロール群、B群;遮断後1週群、C群;遮断後1ヶ月群、D群;遮断1ヶ月後に大脳皮質運動領刺激を加えた群、という4群を作製する。これらを灌流固定し、薄切標本でのc-fosの発現部位とその程度を比較検討する。 【これまでの経過】現在、A群4頭、B群4頭、C群3頭、D群2頭(刺激電極を埋め込んだ段階であり、まだ刺激開始には至っていない)を作製した。D群では電極埋め込み時に脳表を電気刺激し、対側顔面・上肢に筋収縮が誘発されており、運動領野に刺激電極が置かれていることを確認している。C群及びD群、即ち三叉神経破壊後一ヶ月を経た両群では、三叉神経領域である顔面を柵にこすりつける行為が観察されており、求心路遮断による感覚障害が生じているものと考えられる。現在、D群に対して埋め込み刺激ユニット(日本光電,ZR-30J)による電気刺激を行う段階である。
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