2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470283
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齊藤 延人 群馬大学, 医学部, 講師 (60262002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登坂 雅彦 群馬大学, 医学部, 助手 (40323357)
豊田 富勝 東京大学, 医学部, 助手 (00251257)
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Keywords | 脳虚血 / 神経細胞死 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
MEKはMAP kinaseの経路にあり細胞内シグナル伝達を担う。成長因子レセプターのシグナルを伝達し、神経細胞保護的に働くと考えられていた。しかし最近、U0126やPD98059などのMEK活性を抑制する薬剤により、in vivoおよびin vitroの神経細胞死が抑制できることが報告されている。脳虚血後にMEKが活性化されていることが明らかとなっているが、MEKの活性化により神経細胞死が引き起こされるのかどうかが、いまだ明確になっているとは言えない。本研究では遺伝子操作により膜移行シグナルを有した活性型MEKを遺伝子導入し、MEKを活性化させることで神経細胞死を惹起するのかどうかを明らかにすることを目的とした。 ラット胎仔初代培養神経細胞(E18)を用いた。培養11日目にアデノウィルスベクターを用いて活性型MEKを遺伝子導入し、4日後に培養上清中のLDH放出量を測定することで神経細胞死を判定した。またこれと平行して、感染4日後に神経細胞を固定してMAP2免疫染色を行い、生存神経細胞を確認した。さらに、MEKインヒビターであるU0126がこの神経細胞死を抑制するのか検討した。 活性型MEKの遺伝子導入により3-4日後に、LDHの放出が見られ、神経細胞死が誘導された。感染量をMOI=5、10、20と増加するにつれ用量依存性にLDH放出が増加した。MAP2免疫染色にても導入後3〜4にMAP2陽性となる生存神経細胞数が減少した。さらにU0126を1〜10uMを培養上清中に投与することにより、用量依存性にこの神経細胞死が抑えられた。 MEKの活性化により、神経細胞死が誘導されることが示された。虚血性神経細胞死の一因になっている可能性が示唆される。MEKの抑制により虚血性神経細胞死が防止できるのかどうかさらに検討が必要と思われた。
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[Publications] Tosaka M., Okajima F., Hashiba Y., Saito N., et al.: "Sphingosine 1-phosphate contracts canine basilar arteries in vitro and in vivo : possible role in pathogenesis of cerebral vasospasm"Stroke. 32. 2913-2919 (2001)
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[Publications] Noda Y., Okada Y., Saito N., Setou M., Xu Y., et al.: "KIFC3, a microtubule minus end-directed motor for the apical transport of annexin XIIIb-associated Triton-insoluble membranes"J Cell Biol. 155. 2913-2919 (2001)
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[Publications] Mochizuki T., Asai A., Saito N., et al.: "Akt protein kinase inhibits non-apoptotic programmed cell death induced by ceramide"J. Biol. Chem. 277. 2790-2797 (2002)