2003 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨組織特異的DNAチップの作製と、修復・再生に向けた新たなチャレンジ
Project/Area Number |
13470305
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
篠村 多摩之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70206118)
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Keywords | 軟骨 / 遺伝子トラップ / 遺伝子発現 / cDNAサブトラクション |
Research Abstract |
組織特異的遺伝子トラップベクターを用いた軟骨特異的遺伝子の単離・同定については、計20回のスクリーニングを行い、ガンシクロビア耐性で且つハイグロマイシン耐性のコロニーを23個単離した。次にこれらコロニーから3'RACE法を駆使してトラップされた遺伝子を同定し、更にそれぞれの遺伝子の軟骨分化過程における発現パターンをノーザンハイブリダイゼーションで解析した。その結果、薬剤耐性コロニーの9割以上で、トラップされた遺伝子は擬陽性であることが判明し、遺伝子トラップシステムの更なる改良が必要であることが明らかになった。 PCR-cDNAサブトラクション法を用いた関節軟骨あるいは成長軟骨に特異的な遺伝子の探索研究については、これまでに300クローンの解析を終了し、それぞれの軟骨組織に特異的な遺伝子を明らかにした。具体的には、関節軟骨に特異的な遺伝子としてLubricin, Osteoprotegerin, C-type lectin superfamily 1等を同定し、一方、成長軟骨特異的遺伝子としてはPeriostin, Phospholipase A2, Chondromodulin-1等を同定した。次にそれぞれの遺伝子についてノーザンハイブリダイゼーション解析を行い、発現の組織特異性を確認した。その結果、サブトラクションによって得られた多くの遺伝子は、それぞれの軟骨の機能を反映した特異的なものであることが確認できた。例えば、Lubricinは関節表層に局在し、関節の潤滑性と密接に関連して機能していることが明らかになった。そこで更なるクローンの解析と共に、得られた遺伝子を集大成してcDNAマイクロ(あるいはマクロ)アレイの作成を進めている。尚、本研究を通して明らかになってきた新規遺伝子、あるいはこれまで軟骨組織との関連が一切報告されていなかった新たな遺伝子については、個別にin situ hybridizationあるいは免疫組織化学的解析を行い、遺伝子発現とタンパク質の局在部位について特異性を確認した。
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Research Products
(1 results)