2001 Fiscal Year Annual Research Report
肉腫の転移能を規定する遺伝子変異とその制御-マウスRCT肉腫とヒト肉腫を用いて-
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13470306
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
金森 昌彦 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (20204547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 誠 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50204699)
大森 一生 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (80303238)
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Keywords | fibrosarcoma / metastasis / gene analysis / sarcoma / genomic hybridization |
Research Abstract |
(1)RCT肉腫の遺伝子解析について C3Hマウスリンパ球および高・低肺転移能RCT肉腫の染色体マッピングの作成およびDNA抽出とCGH解析を行った。マウス正常リンパ球および高・低肺転移能RCT肉腫を細胞培養し、まず細胞DNAをphenol法にて抽出し、電気泳動およびspechtro-photometerにてDNAの定量およびその切断を行った。独自に開発したプロトコール(J. Bridge, 2000)によるCGH法に従い、labelling, precipitation, hybridizationを行い、全染色体上の遺伝子の増幅と欠失について解析を行った。その結果、高肺転移株ではadenylate cyclase 7, procollagenIII, alpha 1, cystain C precursorが増幅され、serine protease inhibitor, thyloid hormone receptor-associated protein 100kDa, apoptosis inhibitor 1などが低下していることが解った。CGH解析装置の設備は本研究費補助金により設備備品費として購入し、稼動することができるようになった。 (2)ヒト肉腫細胞の収集と保存システムの確立について ヒト肉腫細胞は手術時材料より収集している途中である。全例、液体窒素により新鮮凍結を行い、保存することを基本とし、現在のところ肉腫原発巣15例を収集した。今後さらに症例を蓄積していく予定である。 (3)ヒト肉腫細胞のDNA抽出とCGH解析について 脱分化型肉腫の腫瘍組織4例よりDNAをphenol法にて抽出した。前述と同様な手法によるCGH法を行い、遺伝子の不安定性の解析を行った。その結果9p1領域における遺伝子のコピー数の低下が共通した所見としてみられた。今後さらに症例を蓄積していく予定である。
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