2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損動物を使用した敗血症ショック時の心筋細胞内情報伝達機構変容機序の解明
Project/Area Number |
13470316
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30125306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50156361)
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Keywords | 敗血症 / G蛋白 / 遺伝子治療 / TNF-a |
Research Abstract |
マウスの虫垂を結紮・穿孔し、約2日間で死亡する敗血症モデル(CLP)を完成させた。CLPは虫垂を結紮・穿孔のみの手術を行わない対照群と比較して、心室筋Gsα蛋白が敗血症進行の24時間で約85%、36時間で約77%まで減少していた。Gsα蛋白の減少とTNF-α産生の関係を検討するため、本年度は、以下の研究を行った。 イムノブロッド解析により、CLP作成3-6時間後をピークとして心室筋の分泌型TNF-αが約10倍以上に上昇することを見いだした。炎症性サイトカイン放出に関与するDNA上の転写領域NF-kBの活性を抑制するオリゴヌクレオチド(NF-k : B ON)20塩基対(5'-CCTGAAGGGATTTCCCTCC-3',3'-GGAACTTCCCTAAAGGGAGG-5')を作成し、リポゾーム法で経静脈的に遺伝子導入した結果、血中TNF-α濃度を低下させることができたが、心室筋に発現する遊離型TINF-αを抑制することができず、心室筋Gsα量の減少も改善できなかった。更に、CLP作成直後に抗TNF-α抗体20μg/kgを静脈内投与したが、心室筋のGsα蛋白量を改善できなかった。以上より、現時点で,TNF-αがGsα蛋白を負に転写調節する可能性は低いと評価している。 一方、ウサギ敗血症モデルで、ヒスタミンを介した心房筋の陽性変時作用がGsα蛋白の減少により減じることを見出した。NF-k B ON導入を行った結果、肺以外に心房筋に高い導入が認められ、現在、NF-kBによるGsα蛋白の発現制御を評価している。
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Research Products
(1 results)