2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13470330
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 晴夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009583)
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Keywords | シスチン尿症 / 原因遺伝子 / rBAT遺伝子 / BAT1遺伝子 / 尿中シスチン排泄量 / 結石再発 / オーダーメード医療 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
シスチン尿症は、腎近位尿細管と小腸粘膜におけるシスチンおよび二塩基性アミノ酸の吸収障害に起因する。シスチン尿症の原因遺伝子として同定されていたrBATは685個のアミノ酸からなる約78kDaの蛋白をコードする。現在までに64個の遺伝子変異が報告されているが、その内の5種は我々が新規に見出したものである。我々はもう一つの原因遺伝子であるBAT1の単離に成功した。これは487個のアミノ酸をコードする約40kDaの蛋白である。BAT1遺伝子産物は12回膜貫通型蛋白でありアミノ酸トランスポーターとして機能していると考えられる。rBATにコードされる蛋白はアミノ酸輸送体そのものではなく、輸送系を活性化する蛋白として機能していることが明らかになった。41名のシスチン尿症患者を対象にBAT1遺伝子の変異を解析したところ、35例に7種類の変異を認めた。特にP482Lのミスセンス変異が75%(31例)を占めた。この変異は欧米人の解析症例に全く見られず、日本人特有の変異と思われる。このBAT1のC末端、すなわちstop codonのわずか6個前の変異によってシスチン吸収機能の低下が起きており、蛋白そのものの構造が変化したというより調節因子との結合が阻害されたと考えられた。rBAT遺伝子の変異を有する症例はBAT1遺伝子変異を有する症例よりも再発頻度が低いという結果が得られた。さらに、rBATおよびBAT1それぞれ個々の遺伝子変異のタイプと臨床的重症度(尿中シスチン排泄量、結石再発など)との関係が一部判明してきた。これらの結果は患者一人一人の遺伝子異常に基づくオーダーメード医療へ応用できるものと思われる。未発症保因者の発症予防にも役立つであろう。さらに、BAT1のC末端部と調節因子との結合メカニズムの解明は遺伝子治療の新たな方法の開発につながるものと考える。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Naya, et al.: "Association of dietary fatty acids with urinary oxalate excretion in calcium oxalate stone-formers in their fourth decade"BJU International. 89. 842-846 (2002)
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[Publications] Masanari Ishihara, et al.: "Cystine Transport Activity of Heterozygous rBAT Mutants Expressed in Xenopus Oocytes"Nephron. 91. 276-280 (2002)
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[Publications] TAKAOMI KODAMA, et al.: "Detection and identification of oxalate-degrading bacteria in human feces"International Journal of Urology. 9. 392-397 (2002)
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[Publications] 伊藤 晴夫: "シスチン尿症"小児内科. 34巻増刷号. 824-826 (2002)
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[Publications] 伊藤 晴夫外: "尿路結石症診療ガイドライン 日本泌尿器科学会/日本Endourology・ESWL学会/日本尿路結石症学会編"金原出版株式会社. 87 (2002)