2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌のホルモン依存性消失の分子機構解明と新治療法への応用
Project/Area Number |
13470333
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
碓井 亞 広島大学, 医学部, 教授 (30034060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安本 博晃 広島大学, 医学部, 助手 (20314750)
松原 昭郎 広島大学, 医学部・付属病院, 講師 (10239064)
神谷 研二 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60116564)
牟田口 和昭 広島大学, 医学部・付属病院, 医員
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Keywords | ホルモン不応性 / 前立腺癌 / HGF受容体 / アンドロゲン受容体 / クロストーク / 分化誘導 |
Research Abstract |
ホルモン非依存性ヒト前立腺癌の新しい治療システムヘの応用を目的として、上皮・間質相互作用機構に基づいた増殖抑制手法の展開について、以下のごとく検討した。 1)ヒト前立腺癌細胞株(PC-3)へのwild-type FGFR2IIIb遺伝子導入と遺伝子発現安定株の獲得 PC-3にFGFR2IIIb遺伝子を導入すると、対照に比べて明らかに増殖が抑制され、FGFR2IIIbのligandのFGF-7添加で増殖はさらに抑制されたヌードマウスを用いた造腫瘍能の検討でも、有意に造腫瘍能は低下した。FGFR2IIIb安定発現株の形態は、紡錘形から敷石状に近い形態に変化し、細胞分化の指標のlactoferrin発現もFGFR2IIIb安定発現株において増加した。FGFR2IIIb安定発現株の特性を検討中であるが、平成14年度にはPancytokeratine抗体を用いてさらに詳細な検討を予定。 2)FGFR2IIIbとアンドロゲン受容体のクロストーク機構 PC-3にAndrogen Receptor(AR)発現遺伝子(pSG5AR)を移入し、FGF-7、DHT存在下でのルシフェラーゼ活性値を測定すると、対照ではFGF-7添加によりARを介する増殖促進活性の情報伝達を検出しなかったが、FGFR2IIIb安定発現株ではFGF-7添加でルシフェラーゼ活性値は増加し、FGFR2IIIbを介したFGF-7とARのクロストーク機構が考えられた。 3)FGFR2IIIbのシグナル伝達経路の探求 PC-3およびFGFR2IIIb安定発現株を用いたシグナル伝達経路の検索では、FGF-1、FGF-7刺激で90kDaの蛋白バンドの減弱が認められ、FGFR2IIIbのシグナルはFGFR下流においてアダプター蛋白リン酸化の抑制が示唆されており、これらは平成14年度に継続して詳細を解析予定。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masuda.Y., Takahashi.M., Fukuda.S., Sumii.M., Kamiya.K.: "Mechanisms of dCMP transferase reactions catalyzed by mouse Rev1 protein"J. Biol. Chem.. 277・4. 3040-3046 (2002)
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[Publications] Masuda.Y., Takahashi.M., Tsunekuni.N., Minami.T., Sumii.M., Miyagawa.K., Kamiya.K.: "Deoxycytidy1 transferase activity of the human REV1 protein is closely associated with the conserved polymerase domain"J. Biol. Chem.. 276・18. 15051-15058 (2001)
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[Publications] Fukuda.S., Sumii.M., Masuda.Y., Takahashi.M., Koike.N., Teishima.J., Yasumoto.H., Iamoto.T., Asahara.T., Dohi.K., Kamiya.K.: "Murine and human SDF2L1 is an endoplasmic reticulum stress-inducible gene and encodes a new member of the Pmt/rt protein family"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 280・1. 407-414 (2001)
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[Publications] 安本博晃, 松原昭郎, 牟田口和昭, 亭島淳, 神谷研二, 碓井亞: "線維芽細胞成長因子受容体2(FGFR2 III b)の発現回復によるヒト前立腺癌細胞の増殖抑制"日本泌尿器科学会雑誌. 92・2. 269 (2001)
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[Publications] 安本博晃, 松原昭郎, 亭島淳, 牟田口和昭, 碓井亞: "ヒト前立腺癌細胞株における線維芽細胞成長因子7(KGF)とアンドロゲン受容体(AR)のストロークに関する基礎的検討"ホルモンと臨床. 49・冬季増刊号. 180-183 (2001)
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[Publications] 亭島淳, 安本博晃, 隅井雅晴, 増田雄司, 福田三郎, 高橋護, 小池則道, 碓井亞, 神谷研二: "放射線誘発マウス肝癌におけるIGFBP-7遺伝子の役割"ホルモンと臨床. 49・冬季増刊号. 215-220 (2001)