2003 Fiscal Year Annual Research Report
bc1-2とNFκBを分子標的とした泌尿器系癌に対する遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
13470341
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80185371)
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
丸茂 健 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80138130)
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00213885)
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Keywords | 前立腺癌 / NFκB / bcl-2 / アポトーシス |
Research Abstract |
前立腺癌培養細胞株であるPC-3細胞において2.5μMのantisense bcl-2 oligodeoxy nucleotide (AS bcl-2 ODN)を作用させたとき、Western blottingにてBcl-2蛋白の発現がコントロール群に比べて73%減弱したが、sense (S)やnonsense (NS) bcl-2 ODNはBcl-2蛋白の発現に影響を及ぼさなかった。AS bcl-2 ODNはPC-3細胞においてSおよびNSと比べて有意な濃度依存性の殺細胞効果を示した。一方、diethylstilbestrol (DES)もPC-3細胞に対して濃度依存性の細胞障害活性を示し、AS bcl-2 ODNはDESにより誘導される殺細胞効果を有意に増強した。AS bcl-2 ODNはコントロール群に比べて著明にアポトーシスを増強し(33.3% vs.2%)、AS bcl-2 ODNとDESを併用することによりアポトーシスはさらに増強された(77.5% vs 33.3%)。PC-3細胞において、buthionine sulfoximine (BSO)は細胞内glutathione (GSH)濃度を有意に低下させた。Dichlorofluorescin diacetateを用いた蛍光度測定による細胞内reactive oxygen species (ROS)の産生はDESにより時間依存性に増加し、BSOはその細胞内ROS誘導能を有意に増強させるとともに、DESにより誘導される細胞障害活性を有意に増強させた。一方、AS bcl-2 ODNはPC-3細胞内のGSH濃度、細胞内ROS産生量に影響を示さなかった。以上の結果より、DESは細胞内のROS産生を誘導し、BSOは細胞内ROSを介して細胞障害活性を増強することが示唆されたが、AS bcl-2 ODNによる細胞障害活性は細胞内GSH濃度やROS産生量に関係しないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)