2004 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器悪性腫瘍に対する腹腔鏡手術の開発とその安全性・有用性に関する研究
Project/Area Number |
13470342
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 浩 関西医科大学, 医学部, 助手 (60227692)
大口 尚基 関西医科大学, 医学部, 助手 (60257912)
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Keywords | 泌尿器悪性腫瘍 / 腹腔鏡手術 / 手術侵襲 / 癌細胞播種 / 心機能 / IL-6 / 甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
(1)腹腔鏡下腎部分切除術の術式確立:直径4cmまでのT1a腎癌に対して、腹腔鏡下に腎動脈を遮断し、腎を冷却しながら腎部分切除を鋭的に行い、腎杯の縫合閉鎖、腎実質の縫合止血を行う術式を確立した。シングルJ尿管カテーテルを通した冷却水による腎盂潅流および腎周囲のスラッシュアイスによる腎冷却法、穿刺型温度計による腎実質温度測定法、および腫瘍部位別の到達法と実質縫合法を確立した。 (2)T2腎癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘除術の術式確立:T2腎癌に対する経腹膜到達法、大血管周囲リンパ節を含めた根治的腎摘除術を確立した。これまでに9例に行い、v+症例で1例再発転移を認めた以外は経過良好である。 (3)腹腔鏡下膀胱全摘除術:倫理委員会の承諾の元、腹腔鏡下膀胱全摘除術および回腸新膀胱造設術を実施し、術式を確立した。 (4)泌尿器腹腔鏡手術の手術侵襲評価法の確立:手術翌日に測定したIL6、T3、CH50は他の手術パラメータと正の相関を示すことから手術侵襲評価に適切なこと、腹腔鏡下腎摘除術および腹腔鏡下前立腺全摘除術は、これらのマーカーの変動から見て開放手術に比べて低侵襲と判断された。 (5)腹腔鏡手術による腹腔鏡手術における癌細胞播種の臨床的検討:腎盂尿管癌に対する腎尿管全摘除術28例について術前述後の血中サイトケラチン19、20をRT-PCRで検討したところ、腹腔鏡手術では開放手術より術後陽性化率が低かった。前立腺癌40例に対する開放手術、腹腔鏡手術の比較では、PSA (RT-PCR)の術後陽性化率が腹腔鏡手術で低かった。腹腔鏡手術は癌根治性が高い可能性が示唆された。 (6)気腹が心機能に及ぼす影響について:腎摘除術または副腎摘除術40例の術前後でBNPの変化率は腹腔鏡手術と開放手術で差を認めなかった。腹腔鏡手術における気腹操作の心機能への影響は少ないと考えられた。
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Research Products
(4 results)