2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤感受性遺伝子診断法と抗癌剤耐性化癌の遺伝子治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13470353
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田中 哲二 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80275255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾谷 菜緒子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手
尾谷 功 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手
梅咲 直彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20106339)
竹内 理佳 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20326383)
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Keywords | 抗癌剤耐性化 / 多剤耐性遺伝子 / 子宮癌 / 卵巣癌 |
Research Abstract |
1.抗癌剤耐性株の細胞生物学的性状の解析 これまで樹立した抗癌剤耐性株127株全株について、各種抗癌剤感受性を定量した。個々の耐性株に関しては、種々の細胞生物学的解析(サイトカイン刺激効果、アポトーシス感受性、細胞接着性、表面抗原発現レベルなど)を行っており、現在は各種抗癌剤感受性と細胞生物学的性状の相関について再解析中である。この成果は論文投稿中である。 2.抗癌剤感受性関連遺伝子候補の同定:cDNA microarray法によるmRNA発現profiling すでに、樹立した抗癌剤耐性株127株のうち大半の抗癌剤耐性化率を定量しており、代表的な耐性株を選別して1000種類以上の遺伝子発現プロファイリングを行ってきた。既に、これらのデータから共通した遺伝子発現異常を検索し、各抗癌剤についての抗癌剤感受性関連遺伝子候補を決定した。現在、再確認実験の最中である。 3.RNA発現抑制法による抗癌剤感受性関連度測定と候補遺伝子の選別 今年度の成果については、その多くはまだ論文執筆中ないし追加実験中であり、来年度から論文発表が可能になる。 (1)発現異常遺伝子の機能的な関わりの証明:遺伝子発現プロファイリングで発現異常を認めた遺伝子についてはRNA発現抑制法を試みている。また、プロファイリングで発現異常を認めた遺伝子のsense oligoDNAとantisense oligoDNAを作り、それぞれ耐性細胞株培養系に添加してRNA発現抑制法による抗癌剤感受性関連度の測定を行っている。 (2)発現異常遺伝子の、耐性に伴う発現異常の有無の再確認:同時に、定量RT-PCR法(Siber Green法あるいはTaq-Man PCR法)を用いて、抗癌剤耐性株の中で抗癌剤感受性関連遺伝子候補が本当に発現異常を示すかどうかを確認している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka T, et al.: "Molecular cloning of the SN38-resistance-related genes by differential display"Cytomolecular Genetics. 6. 31-34 (2001)
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[Publications] Tanaka T, et al.: "Mechanisms of multidrug-resistance in ovarian carcinosarcoma cells"Cytomolecular Genetics. 6. 41-45 (2001)
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[Publications] 田中哲二ほか: "臨床的抗癌剤多剤耐性を示した卵巣癌肉腫症例の細胞生物学的解析"Oncology & Chemotherapy. 17. 136-141 (2001)
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[Publications] 田中哲二ほか: "卵巣癌及び子宮癌における抗癌剤耐性化克服法の確立"産婦人科治療. 85. 504-504 (2001)
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[Publications] Tanaka T: "Establishment and Characterization of the SN38-Resistant Sublines from Human Cervical SCC"Oncology & Chemotherapy. 18(印刷中). (2002)