2001 Fiscal Year Annual Research Report
生殖維持におけるリン脂質関連蛋白とその自己抗体の関与
Project/Area Number |
13470354
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
牧野 恒久 東海大学, 医学部, 教授 (30085758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 秀彦 東海大学, 医学部, 助手 (40219465)
杉 俊隆 東海大学, 医学部, 講師 (70196707)
和泉 俊一郎 東海大学, 医学部, 講師 (90138066)
新井 正 東海大学, 医学部, 助手 (20317746)
鈴木 隆弘 東海大学, 医学部, 助手 (00246133)
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Keywords | フォスファチジルエタノールアミン / フォスファチジルセリン / カルジオリピン / アネキシンV / FXII / キニノーゲン / 習慣流産 / 体外受精反復不成功 |
Research Abstract |
1 ELISA法にて、反復流産患者および体外受精反復不成功患者の血漿をスクリーニングし、生殖維持破綻を伴う患者の抗フォスファチジルセリン(PS)抗体、抗カルジオリピン(CL)抗体、抗フォスファチジルエタノールアミン(PE)抗体、抗アネキシンV抗体陽性血漿をそれぞれのアイソタイプ別に得た。IVF-ET反復不成功患者と反復流産患者は共に、抗PE抗体IgGと抗核抗体がコントロールに比べ有意に高かった。さらに、IVF-ET反復不成功患者は、抗PS抗体IgGおよび抗CL抗体IgGがコントロールや反復流産患者に比べ有意に多く認められた。抗アネキシンV抗体IgGは反復流産患者および体外受精反復不成功患者において、コントロールに比べ有意に高かった。 2 生殖維持破綻を伴う患者のFXII活性を測定し、活性低下症例を得た。 3 キニノーゲンの精製をカラムを用いて行った。キニノーゲンの一部の合成ペプチド作成を行った。 4 レーザー散乱粒子計測法(PA-20,KOWA)を用いて2〜3個の血小板からなる小凝集塊を測定する血小板凝集能測定により生殖維持破綻を伴う患者の一部、特に抗リン脂質抗体陽性患者に血小板の自然凝集が見い出された。 5 アネキシンVを胎盤から精製した。大腸菌を用いリコンビナントアネキシンVの作製を行った。ポリクローナルとモノクローナル抗アネキシンV抗体を用い、サンドイッチELISA法でアネキシンV濃度測定を行った。 6 陰性荷電リン脂質のソースとして、PS/PC vesicleおよびPSを細胞外膜にtranslocateさせた血小板を作成した。 7 抗アネキシンV抗体強陽性患者2名の妊娠経過中の血漿・血清を保存し、分娩後の胎盤の病理標本を作成した。
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[Publications] Matsubayashi H, Izumi S-I, Suzuki T, Makino T: "Emotional distress of infertile women in Japan"Human Reproduction. 16. 966-969 (2001)
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[Publications] Matsubayashi H, Suzuki T, Arai T, Sugi T, Izumi S-I, Makino T: "Increased naturak-killer-cell activity is associated with infertile women"American Journal of Reproductive Immunolog. 46. 318-322 (2001)
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[Publications] Matsubayashi H, Arai T, Izumi S-I, Sugi T, Makino T: "Anti-annexin V antibodies in patients with early pregnancy loss or implantation failures"Fertility and Sterility. 76. 694-699 (2001)
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[Publications] Matsubayashi H, Sugi T, Arai T, Suzuki T, Izumi S-I, Makino T: "Different antiphospholipid antibody specificities are found in association with early repeated pregnancy loss versus recurrent IVF-failure patients"American Journal of Reproductive Immunology. 46. 323-329 (2001)
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[Publications] Sugi T, Matsubayashi H, Izumi S, Makino T: "Heterogeneity of antiphospholipid antibodies in identical twins"Journal of Japan Society for Immunology of Reproduction. 16(2). 1-4 (2001)
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[Publications] 牧野恒久, 松林秀彦ら: "妊娠の生物学"永井書店,大阪. 296 (2001)