2002 Fiscal Year Annual Research Report
自然流産におけるゲノム刷り込み・遺伝子異常等による原因の解明
Project/Area Number |
13470356
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
孫田 信一 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 室長 (00100165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 光代 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (80301422)
千葉 喜英 国立循環器病センター, 周産期科, 部長
武藤 宣博 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 主任研究員 (70190858)
鈴森 薫 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80117829)
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Keywords | 片親性ダイソミー / マイクロサテライト / 自然流産 / 欠失 / 染色体 / メチル化 / 相互転座 / 自然流産 |
Research Abstract |
本研究課題では、(1)染色体異常を示さない原因不明の流産に関してマイクロサテライト多型を指標にして片親性ダイソミーや微細欠失などの関与を解析すること、(2)流産におけるゲノム刷り込み異常の有無を解析、(3)相互転座など均衡型構造異常を有する夫婦における反復流産、及びde novoの均衡型転座を有する流産について切断点遺伝子の関与を想定し、その遺伝子解析を進めることを目的にして、これまで原因不明とされてきた流産の病因解明を目指しているが、今年度はその第二年度目にあたる。 今年度は、(1)染色体異常を伴わない自然流産35例について新たに解析を行った。流産絨毛及びその夫婦の抹消血からDNAを抽出し、常染色体と性染色体上の200のマイクロサテライトについて多型を解析し、片親性ダイソミー及び微細欠失の有無を調査した。この結果、染色体7の部分的片親性ダイソミーを新たに発見し、その詳細を調査した実施した。その結果、受精卵の段階における染色分体間の組換えと、派生する一方の染色体構造をもつ細胞の淘汰によって生じた異常であることを予測した。マイクロサテライトを含むDNA多型解析により、染色体起源や片親性ダイソミーの発生メカニズムが明らかにできる。(2)ゲノム刷り込み異常の解析については、H19、SNRPN等の既知のゲノム刷り込み遺伝子を用いて調査した。新たに12例について解析したが、これまでのところゲノム刷り込みの異常は検出されていない。メチル化を指標にしたX不活性化異常についても引き続き検出を試みた。(3)de novo均衡型転座を有する流産等から流産に関わる遺伝子の発見を目指して切断点遺伝子単離を図り、習慣流産の相互転座保有者に共通する切断点の情報を解析した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sonta, S.: "Transmission of chromosomal abnormalities : participation of chromosomally unbalanced gametes in fertilization and early development of unbalanced embryos"Mutat. Res.. 504(1-2). 193-202 (2002)
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[Publications] Miyashita, S., Chiba, Y.: "Doppler studies can predict long-term outcome of growth-restricted fetuses"J. Med. Ultrasound. 10(2). 86-93 (2002)
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[Publications] Iinuma, Y., Sugiura-Ogasawara, M., Makino, A., Ozaki, Y., Suzumori, N., Suzumon, K.: "Coagulation factor XII activity, but not an associated common genetic polymorphism (46C/T), is linked to recurrent miscarriage"Fertil. Steril.. 77. 353-356 (2002)
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[Publications] Michimata, T, Ogasawara, M, Tsuda, H, Suzumori K, Aoki, K, Sakai, M, Fujimura, M: "Distributions of endometrial NK cells, B cells, T cells, and Th2/Tcs cells fails to predict pregnancy outcome following recurrent abortion"Am. J. Reprod. Immunol.. 47. 196-202 (2002)
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[Publications] 堀尾裕幸, 種村光代, 川俣和弥, 千葉喜英, 名取道也, 鈴森薫: "家族性遣伝性疾患解析のためのデータベース-患者情報から検体保存およびDNA解析結果まで-"産婦人科治療. 84. 17-22 (2002)
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[Publications] 種村光代, 鈴森薫, 加藤久典: "妊娠初期の超音波スクリーニング"産婦人科の実際. 51(8). 1099-1106 (2002)