2002 Fiscal Year Annual Research Report
網膜におけるカベオリンとジストロフィン複合体のグルタメイト調節機構への作用の検討
Project/Area Number |
13470363
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
植田 秀穂 信州大学, 医学部, 教授 (10242629)
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Keywords | カベオリン-1 / カベオリン-2 / GLAST / グルタミンシンセテース / ミューラー細胞 |
Research Abstract |
カベオラは蛸壺状の細胞膜の陥凹でいろいろな細胞に見られる。特に血管内皮細胞、脂肪細胞,筋細胞などに多く見られる。末梢神経ではシュワン細胞に、中枢神経ではアストロサイトやオリゴデンドロサイトにカベオラが見られるが、網膜においては詳細な検討がなされていない。今回われわれはカベオリンに関し網膜での発現および局在を検討した。カベオリンはカベオラを構成する構造蛋白として発見されたが、研究が進むにつれ様々なシグナル伝達の足場となる蛋白であることがわかってきた。カベオリンにはカベオリンー1、カベオリンー2、およびカベオリンー3のアイソフォームがあり、カベオリンー3は筋肉に特異的とされる。以前の報告ではカベオリンー1は網膜視細胞に局在するとされていたが、免疫組織化学的に詳細に検討した結果、網膜のグリア細胞であるミューラー細胞にカベオリンー1およびカベオリンー2が局在することが明らかとなった。更に培養ミューラー細胞を用いウェスタンブロットおよび免疫組織化学で確認したところ、明瞭にカベオリンー1およびカベオリンー2の発現を認めた。しかしカベオリンー1とカベオリンー2の発現様式には違いが見られた。ミューラー細胞の最も重要な機能の一つであるグルタメイト調節機構のグルタミンシンセテースおよびグルタメイトトランスポーター(GLAST)とカベオリンー1との蛍光二重染色を行ったところ、カベオリンー1はGLASTと同じ局在を示すことがわかった。このことよりカベオリンー1はミューラー細胞においてグルタメイト調節機構に関与している可能性が示唆された。
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