2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のための根面う蝕進行抑制法の開発-う蝕部への抗菌性レジン浸透による効果
Project/Area Number |
13470402
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今里 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80243244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野杁 由一郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50218286)
樽味 寿 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00294108)
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
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Keywords | 接着システム / 根面う蝕 / 抗菌性 / レジン / 抗菌性プライマー / MDPB / 第四アンモニウム / ミニマムインターベンション |
Research Abstract |
平成13年度においては、提出した研究実施計画に基づき、抗菌性モノマーMDPBを配合した接着システムの浸透による根面う蝕の進行抑制法に関して、3項目の実験を行った。以下、それぞれの実績について記述する。 1.in vitroモデルでの脱灰象牙質中細菌に対する抗菌効果の検討 ヒト抜去歯より切り出した象牙質ブロックを酢酸bufferにて脱灰後、根面う蝕関連細菌であるS.mutans, L..aseiあるいはA.viscosusを浸透させてう蝕モデルを作成した。この試片に、MDPB配合プライマーまたは市販接着システムのプライマーを適用した後、試料を粉砕して細菌を回収し、生菌数を測定した。その結果、4%MDPBを配合したプライマーを適用することにより、試片内の細菌を全て死滅させうることが分かった。 2.共焦点レーザー顕微鏡(CSLM)による人工う蝕病巣への浸透性の評価 乳酸bufferを用いて抜去歯の歯根面に人工脱灰病巣を作成した後、Rhodamine Bを添加した抗菌性接着システムまたは市販接着システムを浸透させた。ただちに硬組織切断器で歯牙を半切し、CSLMを用いて各システムの浸透性を観察するとともに浸透深さを計測した。その結果、MDPB配合接着システムは、他の市販システムと同様に、約150μmの深さまで脱灰病変に浸透できることが分かった。 3.脱灰象牙質中での接着システムの硬化性の検討 前記の2.と同様にして作成した人工脱灰病変に、抗菌性接着システムまたは市販接着システムを浸透硬化させた後、歯牙を半切し、微小硬度計を用いてヌープ硬さの測定を行った。本実験では、連続的なインデンテーションによる測定を行うため、荷重等に関する厳密な設定が必要であることが分かり、本年度においては、正確なデータ収集のための最適条件の確認が行われた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Imazato S, Kuramoto A, Ehara A, Kaneko T, Ebisu S, Russell RRB: "Comparison of antibacterial activity of simplified adhesive systems"American Journal of Dentistry. (印刷中). (2002)
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[Publications] Chan K, Tay FR, King NM, Imazato S, Pashley DH: "Bonding of mild self-etching primers/adhesives to dentin with thick smear layers"American Journal of Dentistry. (印刷中). (2002)
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[Publications] Imazato S, Walls AWG, Kuramoto A, Ebisu S: "Penetration of an antibacterial dentine-bonding system into demineralized human root dentine in vitro"European Journal of Oral Science. (印刷中). (2002)
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[Publications] Yoshiyama M, et al., ed.: "Modern Trends in Adhesive Dentistry, Proceedings of the Adhesive Dentistry Forum '01 in Okayama"Kuraray co., ltd. (印刷中). (2002)