2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470406
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
寺中 敏夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60104460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好野 則夫 東京理科大学, 工学部, 教授 (50084380)
二瓶 智太郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50237781)
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (20104333)
赤羽 正治 株式会社ジーシー, 研究所, 研究副所長
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Keywords | 表面改質 / シランカップリング剤 / カップリング層 / 加水分解 / 接着 / 耐水耐久性 / コンポジットレジン / セラミックス |
Research Abstract |
15年度は14年度において合成に成功したベンゼン環をもつシランカップリング剤で処理したガラス面に対するコンポジットレジンの長期水中保管後の接着性、ならびに処理したフィラーを熱水保管した後にシラン残量を計測することにより耐水耐久性についても検討した。また、臨床応用を想定し、セラミックス表面をガラス面処理と同様に改質しコンポジットレジンとの接着耐水性も検討を加えた。 その結果、3-MPS処理に比較して、合成したp-MBIおよびp-MBC処理群はいずれも水中360日後においても初期接着強さを維持し、有意な低下も認められなかった。特にp-MBIは3-MPS処理と比べて約2倍以上の接着強さを維持した。また、破壊面もすべてコンポジットレジン、あるいはガラスの凝集破壊であった。処理フィラーを熱水中に浸潰した後のシランカップリング剤の残量は、p-MBIおよびp-MBC処理群では3-MPS処理と比較して有意に高い残量であり、ベンゼン環を含有することにより耐熱性も得られた。 一方、セラミックス表面処理後のコンポジットレジンの接着強さはガラス面処理と同様にp-MBIおよびp-MBC群が3-MPS群と比較して有意に高い値であったが、p-MBI群よりもp-MBC群で高い接着傾向となった。水中保管ならびにサーマルストレス後においても同様な結果であり、破壊面もすべてコンポジットレジン、あるいはガラスの凝集破壊であった。 以上の結果から、p-MBIは極めて耐水および耐熱耐久性に優れた有望なシランカップリング剤と結論できた。 なお、以上の成果は、日本歯科理工学会、日本歯科保存学会、IADR、材料技術研究協会討論会、神奈川歯学にて発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 尾本 直大: "リン酸エステル塩型ハイブリッド型界面活性剤によるエナメル質表面の改質効果(第1報)新規ハイブリッド界面活性剤の改質効果"日本歯科保存学会雑誌. 46・2. 192-201 (2003)
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[Publications] 二瓶 智太郎: "コンポジットレジンの耐水耐久性向上に関する研究-ポリフルオロアルキルシラン混合シラン処理剤の効果-"神奈川歯学. 38・4. 154-166 (2003)
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[Publications] Yukishige Kondo: "Synthesis of and Glass Surface Modification with Fluorinated Silane Coupling Agents with a Benzene Ring as a Spacer"Journal of Oleo Science. 53・3. 143-151 (2004)
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[Publications] Yukishige Kondo: "Synthesis of ω-Ferrocenylpentyltrichlorosilane and Its Conductive Cast films"Journal of Oleo Science. 52・9. 505-508 (2003)
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[Publications] 二瓶 智太郎: "疎水性基含有シランカップリング剤の長期接着耐水性"2003年度材料技術研究協会討論会. 特別号. 125-126 (2003)
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[Publications] Tomotaro Nihei: "Hydrolytic stability of novel silane coupling agents with phenyl group"Journal of Dental Research. 83・特別号. (2004)