2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470412
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30050058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢谷 博文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80174530)
田仲 持郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40171764)
入江 正郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90105594)
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90281162)
西山 典宏 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (90112953)
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Keywords | 歯質 / 接着 / 修復用レジン / 被着面処理 / コラーゲン / アパタイト / ハイブリッド / 機能性モノマー |
Research Abstract |
緒言:歯科接着技法は,被着面処理法および接着材等の進展に伴ってう蝕予防から機能再建に至る広域で応用されている。しかし,口腔の過酷な条件下での接着は,辺縁封鎖性や接着強さおよびこれらの耐久性等に難点があり,その主原因が歯質とレジンの界面層の生成状態とその物性に大きな問題がある。そこで,我々は生体親和性化合物であるアミノ酸誘導体(NMωA)を合成し,特に象牙質コラーゲンとの相互作用について検討した。すなわち今回は,NMωAが相互作用を起こしているコラーゲンの官能基を特定するために,イミノ基およびカルボキシル基を末端に有するコラーゲンモデル化合物を用いてNMωAとの縦緩和時間を測定した。 材料および方法:^<13>CNMRによる縦緩和時間(T_1)の測定は,塩酸を加えた重水溶液に10%のオリゴペプチド(プロリルプロリルグリシンの5量体,タンパク研)を溶解し,水溶液のpHを1.7に調製した。このオリゴペプチド水溶液をNMR試料管に0.6g精秤した後,6.73×10^5または20.19×10^5molのNMωAを溶解してNMRの試料とした。T_1の測定は,EX270MHzスペクトロメーター(日本電子),180°-τ-90°のパルスシーケンスを用いて25℃で行った。 結果および考察:NMωA水溶液中にオリゴペプチドを共存させると,NMωA分子内のアミド基およびカルボキシル基がオリゴペプチドと相互作用を起こすため,これらの官能基に帰属されるカルボニカルカーボンのT_1の値は,脱灰象牙質を共存させた場合と同様に,非共存系のそれと比べて大きく減少した。以上の結果から,NMωA分子内のアミド基およびカルボキシル基は,コラーゲンの側鎖官能基であるカルボキシル基と水素結合を形成することが示唆された。なお,ヒドロキシメタクリレート(HEMA)の場合は,同ペプチドと分子中のカルボニル基との間で強い相互作用をしていることが判った。
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Research Products
(1 results)