2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470416
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 宏 広島大学, 歯学部・付属病院, 助手 (60284212)
安部倉 仁 広島大学, 歯学部, 助手 (30159454)
二川 浩樹 広島大学, 歯学部・付属病院, 講師 (10228140)
西村 正宏 広島大学, 歯学部, 助手 (00294570)
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Keywords | 抗菌ペプチド / 殺カンジダ作用 / HIV / Candida / Lactoferricin / Histatin / αへリックス / 両親媒性 |
Research Abstract |
本研究では,抗菌性ペプチドの一つであるヒスタチン5のカンジダに対する抗菌性を検討し,カンジダ属6菌種33菌株に対するヒスタチン5の殺カンジダ作用は,C. tropicalis, C. albicans, C. guilliermondiiに対して非常に高い殺菌作用が認められた.また,C. para-psilosisやC. kruseiに対しては菌株による感受性の違いはみられるものの比較的高い効果が認められた.しかしC. albicansのうちHIV陽性患者の口腔内分離株に対しては,HIV陰性患者からの口腔分離株に比べて有意に低い感受性を示した.C. glabrataに対しては菌株による感受性の差が44.4〜87.5%と大きいものの,基本的に低感受性であった.次に,抗菌ペプチドは,(1)水溶液中ではランダムコイルであり,疎水溶媒中でαヘリックスあるいはβシート構造をとる,(2)両親媒性,(3)塩基性という共通した性質を持っている.現在,アミノ酸の1次配列から高次構造を予測することは不可能であるとされており,既存のペプチドの構成アミノ酸の1〜数個を置換し,ペプチドの抗菌性の向上が計られている.我々は,αヘリックス構造をとるとされるヒスタチン5の誘導体であるDhvar41)と牛ラクトフェリシン(LFB)(17-30)に類似の配列パターンを入れ替えることで得た新規の合成ペプチドについてその構造および殺真菌作用について検討を行ったので報告する.今回作製した新規ペプチドは,蒸留水中ではランダムコイル状であったが,疎水溶媒中ではすべてαヘリックス構造を示した.各ペプチドの殺カンジダ作用はJH8194が最も高く,次いでLFB, LFB short, JH8195が高い殺カンジダ作用を示した.以下, LFH, JH8944, hsn-5と減弱し, Dhvar4が最も小さかった.以上より新規ペプチドおよびラクトフェリシンには非常に高い抗真菌性が期待できると考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nikawa H, et al.: "Antifungal activity of Histatin-5 against non-albicans Candida species"Oral Microbiol Immunol. 16. 250-252 (2001)
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[Publications] 浜田泰三, 二川浩樹: "デンチャープラークとオーラルヘルスケア"補綴誌. 45. 561-581 (2001)
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[Publications] Nikawa H, et al.: "Susceptibility of Candida albicans isolates from oral cavities of HIV positive patients to histatin-5"J Prosthet Dent. (印刷中). (2002)