2001 Fiscal Year Annual Research Report
加齢によるグルタミン酸、GABA神経系の変化が、麻酔の眠り、覚醒に与える影響
Project/Area Number |
13470438
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鮎瀬 卓郎 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (20222705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 信 長崎大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70295088)
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Keywords | 加齢 / 中枢神経 / グルタミン酸 / 全身麻酔 |
Research Abstract |
本研究は、加齢により変化する中枢神経系の変化が、全身麻酔薬によってもたらされる,眠り,覚醒にどのような影響を与えるかを検討する研究である.研究初年度の今年は、マイクロダイアリシス法を用いて、ラットの脳内神経伝達物質を測定するための機器の整備ならびに十分な測定精度を得るための以下の実験を行った。モノアミンについては、研究分担者の松尾がすでに熟練した知識と測定技術を確立しているので、機器の再調整を行いノルアドレナリンが連続測定できるようにした.グルタミン酸については,連続して測定できる最新機器を要求通りに購入して、機器の設置、調整、精度確認のための基礎実験を行った.その結果、長時間安定して連続的に測定できることを確認した.GABAに関しては、液クロ上で他のピークと判別が難しく、次年度以降の改良が必要になっている. さらに、加齢が麻酔薬に与える影響の基礎実験として以下の実験を行った.週令の異なるラットを用いて、プロポフォール、ミダゾラムで全身麻酔を行い、正向反射消失時間などを評価した。その結果、加齢に伴い、就眠までに要する麻酔薬の容量は増加し、麻酔覚醒時の行動変化にも異なった特徴が認められた。脳波などの麻酔深度の判定から、全身麻酔薬の眠り・覚醒に、サーカディアンリズム、照度、温度、音などの外的要素が関連するかを検討した.その結果、いくつかの要素が関連して影響している可能性が考えられた. 上記の基礎実験の結果を元に、次年度以降は、週令の異なるラット脳の複数部位にマイクロダイアリスのプローブを挿入し、静脈麻酔薬(ケタミン、プロポフォールなど)、吸入麻酔薬(セボフルレン、イソフルレンなど)による麻酔導入、維持、覚醒時のグルタミン酸、GABA濃度を測定し、加齢による変化を検討する.
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