2003 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル基質中の生理的活性物質の同定と,その歯周組織再生への応用
Project/Area Number |
13470460
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究所, 教授 (70161049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 仁弥太 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究所, 助教授 (80014257)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究所, 講師 (70160869)
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (50323689)
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Keywords | エナメル / 骨 / 歯周組織 / アメロジェニン / 組織再生 / エナメルタンパク / 遺伝子導入 / セメント質 |
Research Abstract |
ブタエナメル基質抽出物であるEMDOGAIN(商品名)の歯周組織再生への臨床応用が、現在おこなわれている。エナメル基質中に何らかの硬組織誘導能を示す生理的活性物質が存在することは明らかであるが、その生理的活性物質の正体は明らかにされていない。本研究の目的は、エナメル基質中の生理的活性物質の分離、同定をおこなうこと、その生理的活性物質を歯周組織再生への応用を検討することの2点である。前年度までの培養細胞を用いた実験結果より、EMDOGAINは多数の有効成分を含み、それらの複合的な作用によって歯周組織の再生を促進する可能性が示唆された。しかし、エナメル基質からのタンパクの分離精製と、それを用いた細胞培養系での活性評価は容易ではない。また、セメント芽細胞が発現している特異的なマーカーが同定されていないことは、本研究の大きな障害となっている。そこで、以下の実験をおこなった。 プラスミドベクターを用いた生体内での遺伝子導入法において、その遺伝子導入効率を著しく上昇させる方法を開発した。この方法を用いることで、エナメル芽細胞が発現している遺伝子を生体内の任意の部位で発現させ、その効果を判定することが可能になる。レーザーキャプチャー顕微鏡を使用して、マウスの歯周組織の凍結切片から歯根膜細胞とセメント芽細胞のRNAを抽出し、それを増幅してcDNAに変換し、マウスのDNAチップを用いて両細胞が発現している遺伝子を解析した。現在その結果を解析中であるが、セメント芽細胞の有力なマーカー遺伝子を同定できる可能性が高い。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Duarte WR, Shibata T, Takenaga K, Takahashi E, Kubota K, Ohya K, Ishikawa I, Yamauchi M, Kasugai S: "S100A4 : a novel negative regulator of mineralization and osteoblast differentiation."Journal of Bone and Mineral Research. 18. 493-501 (2003)
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[Publications] Yoneda S, Itoh D, Kuroda S, kondo H, Umezawa A, Ohya K, Ohyama T, Kasugai S: "Effects of Enamel Matrix Derivative (EMD) on osteoblastic cells in culture and bone regeneration in rat skull defect."Journal of Periodontal Research. 38. 333-342 (2003)
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[Publications] 春日井昇平: "歯科における再生医療:現状と将来の展望"日本再生歯科医学会. 1. 3-11 (2003)
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[Publications] 春日井昇平: "歯根膜組織の特性と歯周組織の再生"日本炎症・再生医学会雑誌. 23. 34-38 (2003)