2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470491
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部, 教授 (70012747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 講師 (60054045)
江川 清 昭和大学, 薬学部, 講師 (00095879)
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
西谷 直之 昭和大学, 薬学部, 助手 (10286867)
|
Keywords | 接着斑 / MMP / p38 / レドクス / 上皮細胞 |
Research Abstract |
活性酸素は炎症の際に放出され、異物の殺菌に関わるのみならず、IL-1、TFN-α、TGF-β1などの炎症性サイトカインのセカンドメッセンジャーとしての機能も持つ。本研究は、活性酸素による上皮細胞の接着シグナル変化を検討した。マウス乳腺上皮細胞(NMuMG細胞)に過酸化水素を低濃度(0.2mM)で継続的に処理すると2日目から細胞間接着が弱まり、繊維芽細胞様の形態を示した。この形態変化は、アクチンとE-cadherinの局在変化の結果と考えられる。アクチン骨格制御に関わるsmall G蛋白質のなかで、Rac1の活性化が処理後4日目に見られ、ERK1/2、p38の活性化が処理後2日目から起きていた。また、このときECM関連蛋白質MMP-13の発現誘導が見られ、この誘導はERK1/2、またはp38を阻害することで抑制された。このことから、過酸化水素によるMMP-13の発現誘導には、ERK1/2、p38の活性化が重要であると考えられた。過酸化水素の持続的な処理により、MAP kinaseの活性化及びMMP-13の発現が持続、増強し、細胞の形態変化の誘導につながったものと考えられる。さらに、組織浸潤能に注目し、invasion assayを行った。その結果、ほとんど浸潤能を持たないNMuMG細胞が、過酸化水素処理により浸潤能を示すようになった。これは、ECM系の分解に関与するMMP-13を含めたMMPの活性の上昇と、E-cadherinの局在変化による細胞間接着の喪失が関与しているものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Shibanuma.M., Ishino.K. et al.: "Accumulation of focal adhesion Protein Hic-5 in the nucleus by hydrogen peloxide"Acta Histochem. Cytochem.. 34(4). 259-264 (2001)
-
[Publications] Nishiya.N., et al.: "Hic-5 reduced cell spreading on fibronectin :"Mol. Cell. Biol.. 21(16). 5332-5345 (2001)