2001 Fiscal Year Annual Research Report
多分子系反応場・液晶相に基づく分子配向制御―高度不斉機能化への展開―
Project/Area Number |
13470496
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國枝 武久 熊本大学, 薬学部, 教授 (80012649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 浩文 熊本大学, 薬学部, 助手 (10274713)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
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Keywords | スメクチック液晶 / ラジカル環化反応 / 不斉脱アセチル化 / 光学分割 / 不均斉化 / キラル合成子 / 不斉触媒反応 / 不斉補助剤 |
Research Abstract |
本年度は、液晶相下でも適用可能と思われる各種不斉制御反応についての基礎的知見を得ることに重点を置き、複素5員環化合物(2-オキサゾロン、2-イミダゾロン、2-チアゾロン)を反応素子とした不斉合成反応を検討した。 1.複素5員環骨格の不斉機能化:トリクロロアセチル基や2,2-ジクロロアシル基をペンダントグループとする立体配座固定の上記すべての複素環体の分子内ラジカル環化反応を精査した。本不斉機能化は完璧な立体選択性で進行するとの知見を得て、連続不斉中心を持つ異常水酸化アミノ酸(スタチンやMeBMtおよびそれらの類似体)の峻別キラル合成に応用した。本環化反応は、希土類金属塩により飛躍的に促進されることも明らかにした。 2.屋根付き複素環系不斉源の触媒的合成:不斉モデル反応として、立体配座固定の屋根付きアミノアルコールを不斉触媒とするボラン還元によるN-アセチル複素5員環誘導体のエナンチオ選択的脱アセチル化反応を検討した。本反応は光学分割や不均斉化が効率よく進行するので、高い不斉制御能を示すこの種の複素環系屋根付き不斉補助剤の簡便な入手法として優れている。また、この不斉脱アセチル化手法を、α-アミノアルデヒドやジアミン類のためのキラル合成子の開発に利用し成果を得た。 3.多分子系反応系の液晶制御:a)アレンを親ジエン体とする分子間ペリ環状反応(2分子反応)およびb)水酸基の反転を伴う光延反応(4分子反応)をスメクチック相下に検討し、液晶媒体の反応制御能についての検討にも着手し、液晶媒体の特異性を反応制御に反映することが出来た。成果の更なる展開を検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Morita, Y.Nagasawa, S.Yahiro, H.Matsunaga, T.Kunieda: "Versatile Synthons for Optically Pure α-Amino Aldehydes and α-Amino Acids :(+)-and (-)-4,5-Dialkoxy-2-oxazolidinones"Organic Letters. 3. 897-899 (2001)
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[Publications] T.Katahira, T.Ishizuka, H.Matsunaga, T.Kunieda: "Stereoselective intramolecular radical addition of polyhaloacyl pendant groups to the 1,3-dihydro-2-imidazolone moiety : the chiral synthesis of treo-diaminocarboxyliv acids"Tetrahedron Letters. 42. 6319-6322 (2001)
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[Publications] R.Seo, T.Ishizuka, A.A.Aziz, T.Kunieda: "Versatile chiral synthons for 1,2-diamines :(4S, 5S)-and (4R, 5R)-4,5-dimethoxy-2-imidazolidinones"Tetrahedron Letters. 42. 6353-6355 (2001)
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[Publications] S.Hoshimoto, H.Matsunaga, M.Wada, T.Kunieda: "Highly Accelerationg Effect of Lewis Acids on Ru(II)-catalysed Radical Addition Reactions"Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 50. 435-438 (2002)