2002 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系で機能する複合糖質の立体構造形成と分子認識機構に関する構造生物学的研究
Project/Area Number |
13470498
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90234575)
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Keywords | 糖タンパク質 / NMR / 多次元HPLCマップ法 / カルレティキュリン / リウマチ因子 / 免疫グロブリン / CD1 / Fcレセプター |
Research Abstract |
前年度の成果に基づいて、複合糖質の構造解析を行い、以下の知見を得た。 (1)小胞多シャペロン・カルレティキュリン(CRT)の動的高次構造と分子認識様式を明らかにするためにNMR解析を行った。その結果、Pドメインは糖タンパク質と複合体を形成した状態においてもCRT分子全体の中で著しく高い運動性を有していることが明らかとなった。また、Pドメインの中のカルシウムイオン結合部位を同定した。更に、CRTが認識する糖鎖非還元末端部のコンフォメーションを決定した。 (2)糖タンパク質の小胞輸送をつかさどるカーゴレセプターVIP-36の安定同位体標識体を大量に発現し、NMR測定に適した溶液条件を決定した。また、VIP-36が認識する高マンノース型糖鎖の構造を明らかにした。 (3)糖タンパク質の分解に関わるユビキチンリガーゼFbx2のレクチンドメインの多次元NMRスペクトルを解析し、主鎖シグナルの連鎖帰属を行った。得られた結果に基づいて、糖鎖との相互作用解析を行い、糖鎖結合部位を同定した。また、NMRを用いて家族性パーキンソン病原因遺伝子産物パーキンのユビキチン様ドメインの三次元構造を決定するとともに、プロテアソームの構成サブユニットであるRpn10との結合部位を明らかにした。 (4)CHO細胞を用いて発現したCD1のアスパラギン結合型糖鎖の構造を決定した。 (5)多次元HPLCマップ法により、クリオグロブリン血症をはじめとする病態におけるIgGのアスパラギン結合型糖鎖の発現プロファイルを決定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Holland et al.: "Hypogalactosylation of serum IgG in patients with ANCA-associated systemic vasculitis"Clin. Exp. Immunol.. 129. 183-190 (2002)
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[Publications] N.Takahashi et al.: "N-Glycosylation profile of recombinant human soluble Fcγ receptor III"Glycobiology. 12. 507-515 (2002)
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[Publications] E.Lazoura et al.: "Rational structure-based design of a novel carboxypeptidase R inhibitor"Chemistry & Biology. 9. 1129-1139 (2002)
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[Publications] E.Sakata et al.: "Parkin binds the Rpn10 subunit of 26S proteasomes with the ubiquitin-like domain"EMBO reports. 4. 301-306 (2003)
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[Publications] I.Matsuo et al.: "Synthesis of monoglucosylated high-mannose type dodecaeaccharide, a putative ligand for molecular chaperone, calnexin and calreticulin"J. Am. Chem. Soc.. 125. 3402-3403 (2003)
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[Publications] 山口芳樹, 加藤晃一: "安定同位体利用NMRによる糖鎖構造解析"蛋白質 核酸 酵素. (印刷中). (2003)