2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNAワクチン療法の最適化を目指した抗原提示細胞へのプラスミドデリバリー法の開発
Project/Area Number |
13470514
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 清 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (50109013)
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Keywords | DNAワクチン / プラスミドDNA / 樹状細胞 / マクロファージ / 抗原提示細胞 / 細胞取り込み / サイトカイン / CpGモチーフ |
Research Abstract |
DNAワクチンのアプローチは液性免疫のみならず細胞性免疫をも誘導できる方法論であることから、近年、細菌やウイルス感染症、がん、免疫疾患等さまざまな疾病への応用が試みられている。通常、プラスミドDNAを水溶液の形で筋肉内や皮下に投与するだけで効率よく細胞性免疫・液性免疫の両免疫系が誘導できることが知られているが、どのようなメカニズムでこうした免疫応答が起こるかについては未だ不明な点が多い。特に、樹状細胞やマクロファージなど強い抗原提示能を有する細胞は一連の免疫応答誘導プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしていると考えられるが、プラスミドDNAの取り込み機構はほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、まずプラスミドDNAの樹状細胞およびマクロファージにおける細胞取り込み機構を培養細胞系で検討した。その結果、プラスミドDNAは経時的に細胞内に取り込まれ、この取り込みはpoly[C]、デキストラン存在下では阻害されなかったが、poly[I]、デキストラン硫酸、ヘパリン等特定のポリアニオンの共存下で有意に阻害されことから、ポリアニオンに対する特異的認識機構の関与が示唆された。次に、DNAワクチン効果を大きく左右すると考えられるサイトカインの誘導に関して検討を行ったところ、プラスミドDNA単独、リポソーム複合体いずれの場合にもTNF-α、IL-6産生が見られた。樹状細胞においては、CpG motifを持たないウシ胸腺DNAでは産生は起こらず、樹状細胞の活性化はCpG motif依存的であることが示された。これに対し、マクロファージにおいてはプラスミドDNA単独の場合には活性化はCpG motif依存的であったが、リポソーム複合体の場合にはウシ胸腺DNAの場合でもサイトカインが誘導され、CpG motif非依存的な活性化が起こることが明らかとなった。
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