2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療の最適化を目指した次世代DDS製剤としての細胞内除放化システムの開発
Project/Area Number |
13470515
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00098485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 康央 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50263306)
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (70207728)
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Keywords | 細胞内薬物徐放 / ナノパーティクル / 膜融合リポソーム / DDS / オリゴヌクレオチド / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、細胞内での薬物動態を時間的・空間的に制御出来る次世代型DDS製剤としての細胞内徐放化システムを開発することを目的としている。本年度は、オリゴヌクレオチド吸着ナノパーティクルを膜融合リポソームを用いて細胞質内へ導入し、細胞質内での徐放化を検討した。今回ポリビニルアミンナノスフェアー(粒子径308nm、表面電荷21.8mV)表面に、オリゴヌクレオチドを静電気的に吸着させたところ、ナノスフェアー1粒子あたり約3万分子のオリゴヌクレオチドが吸着した。そこでこのオリゴヌクレオチド吸着ナノスフェアーを封入した膜融合リポソームを作製して細胞に作用させ、細胞内に導入されたオリゴヌクレオチド由来の蛍光を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて視覚的に確認した。その結果リポソーム作用群よりも膜融合リポソーム作用群において、数多くオリゴヌクレオチド由来の緑色蛍光が観察された。そこでナノスフェアー表面に吸着しているオリゴヌクレオチドが、細胞内でナノスフェアー表面から経日的に解離するかを観察した。その結果、導入直後では、オリゴヌクレオチドがナノスフェアー表面に吸着した状態で細胞内に存在していたが、3日間の培養を行うと、オリゴヌクレオチドがナノスフェアー表面から解離したことを示す像が観察されはじめ、7日後には、その像が細胞質内で数多く観察されるようになった。以上の結果より、膜融合リポソームにより細胞質内に導入されたナノスフェアー表面から、経日的にオリゴヌクレオチドが細胞質に放出されていることが視覚的に確認された。
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[Publications] 中川晋作: "細胞内薬物動態制御を目指した機能性ナノ粒子の細胞質内導入"生物工学会誌. 81. 189-192 (2003)
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[Publications] S.Nakagawa: "Development of novel technology of DDS for gene therapy"Drug Metabol.Pharmacokin.. 18. 223-229 (2003)