2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者医者の皮膚アセスメントの方法の開発とスキンケア効果の測定に関する研究
Project/Area Number |
13470525
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石垣 和子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80073089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 育子 千葉大学, 看護学部, 助手 (20261703)
上野 まり 千葉大学, 看護学部, 講師 (50323407)
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Keywords | 皮膚の乾燥 / 看護ケア / 高令者 / 皮膚アセスメント / 角層水分含有量 / スキンケア |
Research Abstract |
平成13年度は、従来行われている看護職による皮膚の乾燥の視診・触診と測定機器を用いた角層水分含有量の間に関連が認められず、皮膚乾燥のアセスメントのためには再考が必要なことが示唆された。そこで今年度は皮膚乾燥のアセスメント視点をざらざら感、細かい麟屑、痂皮様落屑(以下ざらざら感等)の3点にしぼり、写真をもとに基準化し写真判定できるような工夫を加え、角層水分含有量測定値、経皮水分蒸散量と対比した。対象は施設内要介護高齢者20名及び自立生活の高齢者14名であった。下腿前面の写真を用いて判定写真を作成した。角層水分含有量はコルネオメーター、経皮水分蒸散量はテバメーターを用いて測定した。その結果、ざらざら感等を示す皮膚では角層水分含有量が低下している傾向が見られ、視診と一致して皮膚の乾燥が背景にあることが示唆された。しかし、ざらざら感等の程度・組み合わせと角層水分含有量との間には関連が認められず、ざらざら感等は入浴剤・方法、衣服・寝具の素材・気候風土などによる副次的な現れ方の差である可能性が示唆された。従って皮膚の乾燥に対する処置として乾燥そのものに対する改善と、副次的にあらわれている皮膚症状の改善の二通りに整理してケア方法を開発する必要性があることが示唆された。今年度は上記の研究と平行して年間を通して在宅要介護高齢者の皮膚の状態を把握するための調査研究を平成14年2月から平成15年2月にかけて行った。気候風土の異なる北海道札幌市、石川県羽咋市、東京都青梅市、千葉県千葉市においてそれぞれ4〜6名を月1〜2回の頻度で訪問看護児に状態観察した。上記の基準化した写真を用いて乾燥の有無を判断したところ、冬季に皮膚の乾燥が増える傾向が確認された。詳細な分析は現在行っているところである。その他に、高齢者の通常の皮膚の乾燥をより精度を上げて確かめるため、気温や湿度の年間を通じた変動が少ないと思われる米国サンフランシスコでの測定可能性を査定するため、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のナンシースコット教授らとの打ち合わせを行った。
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Research Products
(1 results)