2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の皮膚アセスメントの方法の開発とスキンケア効果の測定に関する研究
Project/Area Number |
13470525
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石垣 和子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80073089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕二 千葉大学, 看護学部, 助教授 (40179792)
鈴木 育子 千葉大学, 看護学部, 助手 (20261703)
上野 まり 千葉大学, 看護学部, 講師 (50323407)
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Keywords | 皮膚の乾燥 / ドライスキン / 高齢者 / かゆみ / 角層水分含有量 / 経皮水分蒸散量 / セラミド / 看護 |
Research Abstract |
まず皮膚の乾燥を視診で把握する方法の開発のため、下腿前面の皮膚を視診にて落屑・鱗屑・その他の所見の有無及びその組み合わせによって分類した。対象はケアハウス居住者14名、特別養護老人ホーム(以下特養)入所の20名、時期は6,7月及び10月であった。Corneometerを用いて測定した角層水分含有量と対比させた結果では、必ずしも視診の分類との対応は認められなかった。従って、乾燥の有無は視診で明らかになるが、その程度は見分けられないことが示唆された。次に年間を通じた高齢者の全身の皮膚の状態を調べた。対象は全国5ヵ所の訪問看護ステーションの利用者26名であった。落屑・鱗屑の判定のための写真を示した上で、調査票への月2回の観察結果記入を訪問看護師に依頼した。落屑は下腿前部に最も高頻度に出現し、下腿背部、足背、次いで上腕背側・腹側、腰部であった。鱗屑は落屑より頻度が高く、出現部位は落屑と同様であった。いずれも夏より春先の方に頻度が高かった。年間を通じて皮膚に所見が続く者もあった。かゆみは、四肢より体幹部に多く出現し、「いつも」痒い者の頻度は夏季には低下したが、「時々」や「たまに」は季節変化はなかった。また、四肢の視診上の所見と体幹部のかゆみは一致していなかった。下腿部及び臀部に着目して調べると、前者ではかゆみは皮膚の所見と一致していたが、後者では一致しないものもあった。次に皮膚にクリームを塗布し、その効果をCorneometer、Tevameter(経皮水分蒸散量の測定)を用いて測定した。クリームはセラミドを配合したものとそうでないものを用いた。特養入所者の了解を得て1日1回4週間のクリーム塗布を行った結果、両クリームとも角層水分含有量への効果は認められたが、経皮水分蒸散量への効果は認められなかった。セラミドの定量値は両クリームとも塗布後に減少しており、予期したことと逆になった。施設入所高齢者の入浴頻度方法などと関係した、古い角層の残存などが何らかの影響を与えたのではないかと考えられた。
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Research Products
(1 results)