2003 Fiscal Year Annual Research Report
女性のライフステージと健康特性に基づいたヘルスプロモーション・モデルの開発
Project/Area Number |
13470532
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
加藤 登紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10101114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 晶子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (00339061)
掛本 知里 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (60254562)
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (00191883)
高橋 朋子 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (30349782)
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Keywords | ヘルスプロモーション / 女性 / ライフステージ |
Research Abstract |
本年度は3年にわたる研究の最終年として、本年度までに収集した健診結果等の解析を行い、その分析結果および、先年度までの文献検討、保健師への聞き取り調査の結果明らかになったD町のヘルスニードを考慮し、平成15年度D町基本健康診査の際に、女性のヘルスプロモーションをサポートするための健康教育を行った。 1.4年間の基本健康診査の解析結果 過去4年間にわたり基本健康診査を継続受診した女性における健康調査データの縦断的解析を行った。すなわち、継続受診者の特性、および健診データ、日常生活習慣、自己健康度の推移と、これらの相互関連性について解析した。結果、D町に居住する女性のヘルスプロモーションを展開する上で、年齢階級別および日常生活習慣の内容別に、その方略を考えていく必要性が示唆された。年齢階級別に見ると働き盛りの中高年女性に対しては、家事と仕事の両立で忙しい女性の適切な睡眠時間の確保に努めるとともに、間食摂取とこれに連動する肥満傾向、および高脂血症を予防すること、高齢女性においては、鉄欠乏性貧血を予防するような日常生活習慣の確立と早期治療の促進であることが明らかになった。 2.D町の女性のヘルスニーズを踏まえた基本健康診査時の健康教育 就労や家事労働による負担が増大している壮年期〜中年期の女性の健康の維持増進に注目した健康教育を基本健康診査受付前の待ち時間を利用して実施した。基本健康診査の受診者はそうでないものに比べ、健康に対する関心が高い傾向にあると考えられるが、本研究の対象者も、通常から比較的健康に配慮している住民であったが、健康教育の後も今後注意すべきこととして、さらに自身、および家族の生活習慣に注目していく姿勢が示された。 3.女性のヘルスプロモーション・モデル構築に対する示唆 保健師に対する聞き取り調査や基本健康診査結果を解析した結果、子どもの就学以降、65歳に至るまでの間、この年代の女性(就労しているものを除く)を支えるための保健事業として一次予防に関わるものはほとんど無い。その生活習慣や健康状態は必ずしも好ましいものではない。これらの女性が「健やかな老い」を向かえ、また、主な家事担当者としてそれぞれの家庭におけるヘルスプロモーターとしての機能を果たしていくためにも、壮年期〜中年期の女性に対する啓蒙活動を含めたヘルスプロモーション活動を積極的に行っていく必要がある。また、これらの活動は、対象となる女性にのみ行うのではなく、その女性を支える配偶者や子ども等の家族を含めた、女性の周囲を巻き込んだ中で行っていくことが重要であろう。
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