2003 Fiscal Year Annual Research Report
住宅における効果的昼光利用と光環境の快適性に関する基礎的研究
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13480025
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
國嶋 道子 京都女子大学短期大学部, 生活科学科, 助教授 (10178014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 雅子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 専任講師 (70161916)
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Keywords | 側窓採光 / 行為のしやすさ / 順応 / 光量感 / 人工照明必要照度 / レースカーテン / 簾 / 在室感 |
Research Abstract |
昨年度に引続き、今年度は1.順応を考慮した昼光閾値の実験を行い、昼光空間に充分順応している場合とそうでない場合とで人工照明を必要とし始める昼光室内空間の光環境にどのような違いがあるかを明らかにすること、昼間室内に昼光を取り入れ利用可能であるにもかかわらず室内情報の流失を恐れウインドウトリートメントを利用している家庭がみられることから、2.レースカーテンが在室感評価に及ぼす影響を検討し、昼光の効果的利用を行いつつ問題なく在室できるレースカーテンの指標を明らかにすること、3.簾やロールスクリーンなどについても同様の検討を行うこと、を目的としている。 1.前室の順応照度が低いと、昼光空間の明るさ感評価は高くなり、入室時の第一印象と順応後の第二印象との評価の差も小さく、人工照明を必要とする昼光室照度が低くなる。また、順応照度が高いと、昼光空間の評価に個人差が顕著に認められる。 2.在室感評価に影響を及ぼす要因は、レースカーテンの透光率,レースカーテンの生地の使用幅、居住環境における視線に対する意識を高める要因の有無が上げられる。視線の遮断が必要である場合、透光率の低いレースカーテン生地を選択し使用幅も多めに、視線の遮断がそれほど必要でない場合には透光率の高いカーテン生地を選択すれば昼光の明るさを利用することができ、使用幅は通常の20%少なくしても,違和感なく在室することができる。 3.実態調査から得られた昼間および夕方人工照明をつける直前と直後,夜間の各照明条件における窓処理材の視線遮蔽効果と在室感について明らかにすることができた。人工照明点灯直後には、室外側からと室内側からでは、視対象の存在感に対する評価が似通っていることがわかった。また、同じ素材でも視対象との輝度比が大きくなる明度が低い色の窓処理材は、室外側から見た時、視対象が見えやすくなる。以上から、窓処理材の素材、色による物理的効用性を知った上で適切な窓処理材の利用を考える必要があることが明らかとなった。
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