2001 Fiscal Year Annual Research Report
小豆種皮および餡の小豆色の発現に関する食品化学的研究
Project/Area Number |
13480027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (90210690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 清 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (60104626)
近藤 忠雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70093028)
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Keywords | 赤小豆 / 餡 / 種皮色素 / HPLC / ポリフェノール / Vigna angularis |
Research Abstract |
1.目的 赤小豆(Vigna angularis)は、赤飯、餡などに調理加工され食される、日本では文化的にも独特の地位を占める豆である。しかし、赤小豆種皮色素およびそれを製餡加工して得られる小豆色をした餡の色素の化学構造は、未だ全く明らかになっていない。この解明を目的に、種皮色と餡色に関与する色素の抽出と分析、構造解明を目指した。 2.方法および結果 赤小豆種皮を水に浸漬して膨潤させ、手で剥いて種皮を得た。これを温風乾燥したもの500mgに各種の溶媒10mLを加えて室温で1時間抽出後の抽出液を濃縮乾固し、HPLCで分析した。HPLC分析方法は、通常我々が植物色素の分析に用いていた従来法よりもさらに最終段階での溶媒の極性を下げ、0.5%TFA含有-10%CH3CN aq.から0.5%TFA含有-20%CH3CN aq.までの20分間のリニアグラジエントの後0.5%TFA含有-40%CH3CN aq.までの10分間のリニアグラジエント、さらに10分間0.5%TFA含有-40%CH3CN aq.とした。 9種の溶媒条件を検討した結果、3%トリフルオロ酢酸含有50%アセトニトリル水溶液、および70%アセトン水溶液による抽出で、それぞれ濃い赤茶色の抽出液が得られた。改良した条件でHPLC分析したところ、従来見落としていた色素ピーク(保持時間32分〜37分、主に3ピーク)が新たに検出された。この保持時間30分以降に検出される、極性の低い色素は豆の登熟につれ増加することがわかり、赤小豆種皮色の発色に関与する可能性が高いと推定された。 今後は、この色素ピークに着目し、色素の単離および餡にこの色素が存在するかどうかを確認する。
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