2004 Fiscal Year Annual Research Report
中等教育における部活動の実態と機能に関する実証的研究
Project/Area Number |
13480055
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西島 央 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (00311639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 武志 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70324019)
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Keywords | 部活動 / 新教育課程 / 外部指導者 / 学社融合 / 質問紙調査 / 観察・インタビュー調査 / 多元的学校文化モデル |
Research Abstract |
平成16年度には、以下の2点の調査・研究を行った。 第一に、新教育課程下において、部活動のあり方、教師による生徒指導や進路指導、生徒の学校への関わり方や進路選択のありようにどのような変化が生じつつあるのかを把握するための観察・インタビュー調査を実施した。東京都内の中学校で継続して行ってきた調査に焦点化して、部活動の地域との連携や移行の取り組みが、部活動自体や学校にもたらす影響について考察した。 本調査研究から得られた最も重要な知見は以下のとおりである。部活動の地域との連携や移行という取り組みは、学校が慣習的に負担してきた部分を軽減し、かつ生徒に文化・スポーツ活動の機会を保証するためのものであったが、かえって地域社会や保護者の学校への期待が明確化し、その役割や責任が強調されるという矛盾した結果を生み出しているということである。 第二に、中高生の部活動への取り組みや学校への関わり方が、新旧教育課程で変化がみられるのかどうかを考察するために、平成13〜14年度に実施したのと同じ内容の質問紙調査を、静岡県を中心に前回の調査対象校のうちのいくつかで行った。 本調査研究から得られた主な知見は以下のとおりである。第一に、部活動への加入状況は、前回調査に比べて学校ごとの偏差が大きくなった。第二に、部活動で楽しみにしていることについて、前回調査に比べて遊び志向が減った。これらの結果は、第一に生徒指導や進路指導などの学校組織、学校経営のあり方の多様化を、第二に部活動の専門性や競技性を高めることにつながるとともに、遊び志向の生徒の居場所がなくなり、彼らの学校への関わり方や学校外での青年文化の変容をもたらすであろう。これらの点からも、学校のスリム化と地域との連携をめざした部活動改革は、かえって学校内部の組織や経営の多様化や学校の責任の範囲の拡大につながる可能性があると考えられる。
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Research Products
(1 results)