2002 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル経済環境下における製造業の新企業モデルに関する研究
Project/Area Number |
13480111
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
松島 克守 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美馬 秀樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手
藤末 健三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10313040)
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Keywords | 製造業 / ビジネスモデル / 企業経営 / コストモデル / ダイナミックモデル / 経営シミュレータ / 知の構造化 / 科学的経営 |
Research Abstract |
14年度の研究実施計画として、基本的な手法にに関する研究を継続すると同時に、製造業の新ビジネスモデルの決定とその最適制御手法、モデル表示技術を確立することを挙げた。これを目的として、実証的システムの構築と実データを用いたシミュレーション実験を行うと同時に、その有用性に関し、実際の企業経営者に評価を求める予定であった。 本研究の核は大規模複雑な企業活動を制御する具体的なパラメータ(経営評価指標)の設定と、モデルとして仮想空間に表示する手法の確立にある。近年い従来の「勘・経験・度胸」に大きく依存した企業経営から、いち早くビジネスチャンス、リスク要因を見つけ出し、必要な情報を収集、分析、シミュレーションし、意思決定を下すという一連のプロセスを迅速に行う経営方式、いわば「科学的経営」への以降が求められているが、これに対し本研究では、このような「科学的経営」の実現を支援するための経営者支援システム「グローバル・コクピット」を設計し、その情報モデルの構築手法の提案を行った。「グローバル・コクピット」とは、いわば「企業の操縦席」であり、見るべき情報が構造化され、それらのモニタリングに用いるグラフやメータ、分析に必要なツール、経営判断を下した場合の効果測定を行うシミュレータが整備された環境である。提案を行った構築手法に基づき、プロトタイプシステムの構築、折角型大型3面スクリーンを始めとする映像設備によるコクピット空間の構築を行い、「グローバル・コクピット」の実装を行った。また、実際の国内製造業メーカをケーススタディとして取り上げ、情報モデルの試作を行い、従来の経営者支援アプリケーションとの比較、および現実のデータを用いたグローバル・コックピットでの操作に対するアンケートを基にした技術評価を行い、本研究で開発した「グローバル・コクピット」の有効性を確認した。 また、グローバルに展開する製造業に対し、IT(Infomation Technology)や、情報抽出、知識獲得の技術を使うことによりこれまでの経済的合理性評価を超えるモデルの開発を行い、リアルタイム金融システムの活用による為替・関税の最適化や、北極海新航路の開発による物流コストの画期的変化などを評価する中で21世紀型の製造業のビジネスモデルのさらなる追求を行ってきた。具体的には、中国への進出を目的としたサプライチェーンマネジメントに関し、為替・関税を始めとした様々な動的要因及び静的要因を考慮したモデル化を行い、実際のデータを活用することでモデルの有効性を確認した。本研究の成果を用いることで、最適なサプライチェーンマネジメントの実現が期待される。 以上のように、本年度においても概ね計画に基づき研究を進めることができたと思われる。今後、さらなるケーススタディ、評価を行うことでシステム、およびモデルの有効性、スケーラビリティを検証すると共に、実際の企業活動における試験稼働を進めることで、システムの頑健性を高める予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Fujisue, Y.Takada: "Present Situation of Venture Capital in Japan"Proceedings of the 11^<th> International Conference on Management of Technology. (2002)
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[Publications] Ryo Yamaguchi, Kenzo Fujisue: "Innovation Assets management of Japanese Firms"Proceedings of the International Conference of Industrial Management. (2002)
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[Publications] Hideki Mima, Sophia Ananiadou, Goran Nenadic, Junichi Tsujii: "A Methodology for Terminology-based Knowledge Acquisition and Integration"Proceedings of 19th International Conference on Computational Linguistics (COLING2002). 667-673 (2002)
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[Publications] Loran Nenadic, Hideki Mima, Irena Snasic, Sonhia Ananiadou, Junichi: "Terminology-based Literature Mining and Knowledge Acquisition in Biomedicine"International Journal of Medical Informatics. 67. 33-48 (2002)
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[Publications] Hideki Mima, Sophia Ananiadou, Goran Nenadic, Junichi Tsujii: "A Methodology for terminology-based ontology development and knowledge structuring"Abstracts of Standards and Ontologies for Functional Genomics. 21 (2002)
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[Publications] TaeSung Yoon, Kenzo Fujisue, Katsumori Matsushima: "Progressive Knowledge Reconstraction and its Value Chain Management"Proceedings of IEEE International Engineering Management Conference. (2002)