2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480120
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
立木 茂雄 同志社大学, 文学部, 教授 (90188269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 紀男 防災科学技術研究所, 地震防災フロンティア研究センター, 副チームリーダー (40283642)
田中 聡 京都大学, 防災研究所, 助手 (90273523)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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Keywords | 災害スキーマ / 災害エスノグラフィー / 災害知識表現 / 芸予地震 / 災害対応従事者 / 建物被害判定 / 再活再建課題 / 災害過程 |
Research Abstract |
(1)スキーマ切り替え促進要因・阻害要因と災害情報到達との間の因果関係の検討(担当 立木茂雄)については、広島県呉市における調査データと強震観測記録や被害報告などの地理的情報をGIS上でマッチングする基礎的作業を行った。また、フィリピン国メトロマニラ圏マリキナ市において、住民のリスク認知・回避行動の促進・阻害要因を同定する比較調査研究を計画した。また、災害からの長期的復興について、生活再建課題を7要素からなるモデルとしてスキーマ化し、2003年3月に米国ハワイ州で開催された日米都市防災会議にて本会議報告を行い、日米の防災研究者と討議を行い貴重な知見を深めることができた。 (2)災害スキーマ切り替え促進要因・阻害要因の特定(担当 田中聡)については、2001年9月11日に発生したニューヨーク市世界貿易センタービル・テロ事件にいて同ビル内から避難した日系企業従業員に対して、エスノグラフィー調査を実施した。「平時」から「災害時」へと状況認識が変化する際、過去の災害体験(1993年のビル爆破テロ事件)が非常に大きな働きをしていることが確認された。さらに、災害過程における共通構造の抽出の観点から、2003年3月の日米都市防災会議において被災者のエスノグラフィーの理論と方法について日米の防災研究者と討議を行った。 (3)災害情報到達度指標の開発(担当 林春男・牧紀男)については、外観目視による建物被災度評価手法の検討を通じて、建物被害スキーマの形成を促進する建物被災度判定トレーニングシステムを提案した。また、2001年3月の芸予地震の強震観測記録と消防庁被害報告を用いた広域の地震被害推定と被害の及ぶ範囲の同定の手法を確立することによづて、住民の危機回避行動を決定する際の独立変数の一つとしてのハザード強度や被害程度をGIS上に表現する基礎的な技術開発を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shigeo Tatsuki, Haruo Hayashi: "Seven critical element model of life recovery : General linear model analysis of the 2001 Kobe Panel Survey data"Proceedings of the 2^<nd> Workshop for Comparative Study on Urban Earthquake Disaster Mitigation. 27-46 (2002)
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[Publications] Shigeo Tatsuki: "Individual recovery process from 1995 Kobe earthquake disaster : The 2001 panel survey and the 2002 restoration public housing tenants survey results"Proceedings of the 7^<th> Japan/United States Workshop on Urban Earthquake Hazard Reduction. (印刷中). (2003)
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[Publications] 堀江啓, 牧紀男, 重川希志依, 田中聡, 林春男: "外観目視による建物被災度評価手法の検討:建物被災度判定トレーニングシステムの開発"地域安全学会論文集. 4. 167-174 (2002)
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[Publications] 村上則男, 川方裕則, 林春男, 高島正典: "強震観測記録と消防庁被害報告を用いた広域の地震被害推定と被害の及ぶ範囲の同定の手法:2001年芸予地震への適用"地域安全学会論文集. 4. 105-112 (2002)
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[Publications] 田中聡, 重川希志依: "災害エスノグラフィーをもちいた2001年9月11日ニューヨーク世界貿易センタービル災害における災害過程の分析"地域安全学会論文集. 4. 221-230 (2002)
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[Publications] Satoshi Tanaka: "Disaster Process Analysis for the Catastrophic Events"Proceedings of the 7^<th> Japan/United States Workshop on Urban Earthquake Hazard Reduction. (印刷中). (2003)
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[Publications] D.P.ジマーマン著(立木茂雄 監訳): "民主主義の文法-市民社会組織のためのロバート議事規則入門-"萌書房. 142 (2002)