2001 Fiscal Year Annual Research Report
低放射化バナジウム合金のブランケット材としての適合性
Project/Area Number |
13480129
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
廣畑 優子 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00189896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 有二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312388)
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Keywords | バナジウム合金 / 水素吸収 / チタン酸化膜 |
Research Abstract |
核融合炉の第一壁及びブランケット構造材料の候補材料であるバナジウム合金(V-4Cr-4Ti)は、水素を良く吸収して水素脆化を起こすことが指摘されている。本研究では、2種類のV合金を用いて、水素溶解度を系統的に調べた。この結果、水素溶解度は2試料とも同じで純Vと同程度であった。また、V合金の水素吸収は発熱反応で起こる。水素脆化が起こる臨界水素濃度は、不純物を多く含むと純合金に比べて1桁以上小さくなる。以上の結果から、V合金の使用条件が高温(>400℃)で低圧(<1Pa)でかつ純度が高ければ水素ガス吸収による脆化は起きないことが分かった。しかし、低温領域では脆化が起きるため、水素吸収を抑制する必要がある。本研究では,V合金を酸化チタン膜で被覆して、水素吸収速度の抑制効果を、第一壁温度領域の300℃とブランケット温度領域の500℃について調べた。 チタン酸化膜の熱的安定性は組成と膜厚の観点から評価した。本研究の結果、500℃程度まではチタン酸化膜は安定に存在することが分かった。 チタン酸化膜を被覆したバナジウム合金は、300℃の第一壁温度では被覆しない合金よりも大幅に吸収速度を低減させた。水素吸収速度は、チタン酸化膜の膜厚が大きくなるほど小さくなった。水素吸収の時定数(時定数の逆数が吸収速度に対応する)は、被覆していないバナジウム合金では3hrsであったのに対して、チタン酸化膜の膜厚を増加させると、時定数が次第に大きくなり、特に0.5μm被覆した試料では被覆しない試料よりも約50倍ほど大きくなり、吸収速度を50分の1程度にまで抑制できることが分かった。ただし、この水素の吸収抑制効果は、ブランケットでV合金を使用する場合の温度領域である500℃では、300℃よりも小さかった。これより、チタン酸化膜被覆による水素吸収の抑制効果が示されるのは、300℃近傍の第一壁温度領域であることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Hirohata: "Deuterium retention of V-4CrTi alloy exposed to the JFT-2M tokamak environment"Journal of Nuclear Materials. 290-293. 196-200 (2001)
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[Publications] T.Hino: "Low activation materials as plasma facing component"Proceeding of 18^<th> IAEA Fusion Energy Conference. CN-77/FTP1/08. 1-4 (2000)
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[Publications] W.R.Johson: "Performance of V-4Cr-4Ti alloy exposed to the JFT-2M tokamak environment"Journal of Nuclear Materials. 283-289. 622-627 (2000)
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[Publications] 小田知正: "JFT-2Mトカマク装置の放電にさらされたバナジウム合金の水素捕捉"真空. 48・3. 325-378 (2000)