2003 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー陽子を用いた重イオン・プラズマ相互作用におけるクーロン対数の測定
Project/Area Number |
13480132
|
Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90160829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 雅生 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (60016863)
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90302984)
|
Keywords | イオンビーム / 核融合 / プラズマ / レーザー / 阻止能 / クーロン対数 / 有効電荷 / 飛行時間法 |
Research Abstract |
平成15年度は,まず昨年度までに完成した低エネルギー陽子ビーム発生用200kV加速器からのパルスビームを既存のプラズマ標的まで効率良く輸送するためのビームラインを建設し,既存の分析電磁石にビームを入射してビームラインに損失なく合流させることに成功した.しかしコロナ放電のため150kV以上の電圧を印加できず,ビームエネルギーは150keVに制限された. 以上の準備の後,ビームとプラズマの相互作用実験を試みたが,シングルショットのパルスビームであるためにビーム位置モニター用蛍光板の発光強度が弱く,プラズマ標的上のビーム位置と集束の状況を正しく把握できなかった.このためプラズマ標的の中心にビームを通過させることが困難であった.さらにマイクロチャンネルプレートを用いた時間検出器の不調のため,代用としてプラスチックシンチレーターと光電子倍増管からなる時間検出器を作成した.しかし時間分解能は8ns程度にとどまり,パルスの繰り返し周期と同程度となったため,十分な精度で飛行時間法によるエネルギー損失測定ができなかった.これらの理由により,予定していたクーロン対数,すなわち低エネルギー陽子ビームの阻止能測定は現在も進行中である. 一方,これらの実験と平行して,プラズマ中のイオン・電子と入射粒子のクーロン相互作用を直接計算する粒子コードを開発して陽子阻止能の計算を行った.この結果を,近接・遠隔衝突モデルを統合して得られる100keV/uの低速領域で有効なクーロン対数の表式による解析的計算結果と比較したところ,比較的良い一致が得られた.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y.Oguri: "A 200kV Proton Accelerator Dedicated to Low-Energy Beam-Plasma Interaction Experiments"GSI Annual Report 2002 - High Energy Density Physics with Intense Ion and Laser Beams. 21-21 (2003)
-
[Publications] 小栗慶之: "高密度プラズマと重イオンビームの非線型相互作用"日本原子力学会2003年春の年会要旨集. I. 173-173 (2003)
-
[Publications] Y.Oguri: "Development of a Low-Energy Pulsed Proton Accelerator for Beam-Plasma Interaction Experiments"Bull.Res.Lab.Nucl.Reactor. 27(to be published). (2003)