2001 Fiscal Year Annual Research Report
加速器駆動炉材料を対象とした核反応残留核の動的生成過程に関する研究
Project/Area Number |
13480149
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
魚住 裕介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (00232801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 源一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90311852)
池田 伸夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70193208)
的場 優 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60037827)
渡辺 幸信 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30210959)
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Keywords | 加速器駆動炉 / 原子核反応 / 核内カスケードモデル / 陽子 / 重陽子 / アルファ粒子 |
Research Abstract |
加速器駆動原子炉は未来の原子炉としてまた、核変換炉として大きな期待を集めているが、高エネルギー陽子ビームを使用することによる材料劣化の問題が存在する。本研究では、数百MeV領域での原子核反応残留核の生成過程初期において重要となる軽イオン放出メカニズムに関する研究を行なった。 今年度は特に、陽子と重陽子の放出メカニズムについて測定したエネルギースペクトルを理論計算の結果と比較し、モデルの妥当性について検討した。理論計算については、核内カスケードモデルに基づくINCコードについて、リエージュ大学グループと議論を行ない、更なる高精度化のための今後の戦略について方針を立てた。重陽子放出については、クラスターノックアウト過程をINCコードに取り入れる手法の開発を進めた。さらに、量子分子動力学法に基づく計算では軽核の基底状態の再現性に問題があることが分かり、核子間力を調整することにより改善が見られることが分かった。 実験については、大阪大学核物理研究センターの分離セクター型サイクロトロンを利用した実験の準備を進めた。極めて薄いプラスチックシンチレータと高速応答光電子増倍管を組合せたトリガー検出器を開発し、これまで測定が困難であったアルファ粒子の高精度測定が可能となった。更に、加速器駆動原子炉のターゲットあるいは冷却材として期待されている鉛およびビスマスに対する陽子核反応実験の計画を提案して、これが認められた。実験は来年度実施する予定となっており、濃縮ターゲット、CD-2フォイルターゲットの準備が完了した。 ドイツ・ユーリッヒ原子力研究所クーラーシンクロトロンCOSYを使用して行なう実験についても、実験計画を説明して準備を進める事となった。
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Research Products
(1 results)