2003 Fiscal Year Annual Research Report
紙パルプ汚泥の亜臨界水処理による生分解性ポリ乳酸への資源化と高速メタン発酵
Project/Area Number |
13480180
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 弘之 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50081360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GALINADA Wilmer 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80347509)
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Keywords | 亜臨界水 / 加水分解 / 有機酸 / 酢酸 / メタン発酵 / 高速・高消化率 / 汚泥 / エネルギー |
Research Abstract |
高速・高消化率メタン発酵を実験的実証: メタン発酵は、加水分解菌が固体有機物を可溶化した後酸生成菌がそれを餌に有機酸を生成、メタン発酵菌が酸を餌にメタンガスを生成する。この中で、加水分解と酸生成過程が1〜2ヶ月を要するため、この2段階を5〜10分程度の亜臨界水加水分解処理に置き換え有機物を可溶化し有機酸(主に酢酸等)を生成、これをメタン発酵に用いて高速・高消化率メタン発酵を実現することを目的とした。 まず、現行プラントの消化発酵汚泥に0.01〜0.1Mの酢酸を投与し、メタン発酵を行うと1〜3日で酢酸が90%以上消化され、メタンと炭酸ガスの転化率が50%に到達することがわかった。この結果から,亜臨界水加水分解処理液を用いてメタン発酵を行えば滞留時間は1〜3日、消化率90%以上の高速・高消化率メタン発酵が可能であることが明らかになった。同様の実験でさらに高速化の検討を行ったところ、30分、1時間、3時間でもほぼ100%の消化率でメタンと炭酸ガスの生成が確認できた。 汚泥の模擬亜臨界水処理液を用いてメタン発酵実験を行った。亜臨界水処理液の成分は主に酢酸、蟻酸、ピログルタミン酸、アラニン、グリシンから成る。模擬亜臨界水処理液として、酢酸濃度を0.1M(含水率90%の場合)とし、有機酸のみ含有する場合とアミノ酸のみ含有する場合に分けて調整し、メタン発酵させた。有機酸は24時間でほぼ100%近く消化されたのに対し、アミノ酸は非常に低転化率であった。 汚泥の亜臨界処理水でメタン発酵実験を行った。対照には、亜臨界水処理を行っていない汚泥を用いた。発生量の差から亜臨界水処理の効果は明らかで、5日後には亜臨界水処理水を用いた場合、対照に比べ約6倍も多くメタンが発生した。 以上の結果から、汚泥の亜臨界処理水を用いると、高速・高消化率メタン発酵が達成できることを明らかにした。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] H.Yoshida, Y.Takahashi, M.Terashima: "A Simplified Reaction Model for Production of Oil, Amino Acids, and Organic Acids From Fish Meat by Hydrolysis under Sub-Critical and Supercritical Condit"J.Chem.Eng.Japan. 36,No.4. 441-448 (2003)
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[Publications] H.Yoshida, O.Tavakoli: "Sub-critical Water Hydrolysis Treatment for Waste Squid Entrails and Production of Amino acids, organic acids, and Fatty Acids"J.Chem.Eng.Japan. 37,No.2. 253-260 (2004)
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[Publications] N.Kishimoto, H.Yoshida: "Adsorption of Acidic Peptide on Crosslinked Chitosan Fiber : Equilibria"Proc.3rd Pac.Basin Conf.Ads.Sci.Tech.. 458-462 (2003)
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[Publications] H.Kitahara, W.Galinada, H.Yoshida: "Equilibria for Adsorption of H_3PO_4,NaH_2PO_4,Na_2HPO_4, and Na_3PO_4 on Highly-Porous PEI Chitosan Resin"Third Intl.Conf.Ion Exch.. 13. (2003)
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[Publications] 北原浩之, Wilmer A.Galinada, 吉田弘之: "超多孔性PEIキトサン樹脂におけるH3PO4、NaH2PO4、Na2HPO4及びNa3PO4の吸着平衡"化学工学会第68年会研究発表講演要旨集. S105. (2003)
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[Publications] 吉田弘之, 片山裕紀: "亜臨界水・超臨界水処理による廃木材の資源・エネルギー化"化学工学会第36回秋季大会講演要旨集. I1A01. (2003)
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[Publications] 吉田弘之, 中橋知美: "亜臨界水処理による肉骨粉の無害化と資源化"化学工学会第36回秋季大会講演要旨集. I1A02. (2003)
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[Publications] H.Yoshida, M.Sai, O.Tavakoli: "Detecting Heavy Metal Ions Concentrations in Scallop Viscera Wastes and Recovery of Those Metals Using Sub- and Supercritical Water Treatments"化学工学会第36回秋季大会講演要旨集. I1A03. (2003)
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[Publications] 吉田弘之, 岡本織江: "PEIキトサンビーズによるピログルタミン酸およびアミノ酸の完全吸着分離"化学工学会第36回秋季大会講演要旨集. V3A06. (2003)
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[Publications] O.Tavakoli, H.Yoshida: "Trans-Esterification of Fatty Acids from Squid Oil by Using Trimethylsulfonium Hydroxide (TMSH)"化学工学会第68年会研究発表講演要旨集. G307. (2003)
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[Publications] 吉田弘之(分担): "化学便覧 第6版 応用化学編"日本化学会編. 1709 (2003)
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[Publications] 吉田弘之(分担): "第9回実践化学工学講座"化学工学会関西支部編. 434 (2003)