2002 Fiscal Year Annual Research Report
光合成でのアンテナ機能をもつタンパク質/色素複合体の組織化とその機能解析
Project/Area Number |
13480186
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
南後 守 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90109893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 啓司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90158155)
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Keywords | 光合成細菌 / アンテナ色素複合体 / 人口光合成 / 光電変換 |
Research Abstract |
植物、光合成細菌などの光合成膜では、アンテナ(LH)系、光化学反応中心(RC)およびそれに続く電子伝達系で光エネルギーから化学エネルギーへの効率の良い変換が行われている。この変換は、主として光合成膜中での諸種のタンパク質/色素複合体からなる超分子複合体で行われている。本研究は、光合成で光エネルギー変換機能をもつタンパク質/ポルフィリン色素複合体を人工的に組織化することを目的とする。 紅色光合成細菌、R.rubrumおよびR.sphaeroidesから単離精製したアンテナ系タンパク質(LH-α,β)およびそれらと類似した諸種の合成ポリペプチドとクロロフィル色素導体(BChl αおよびZnBChl α)を用いて界面活性剤(オクチルグルコシド,OG)ミセルならびに脂質二分子膜中で天然と類似したアンテナ色素複合体の組織化について検討を行った。脂質二分子膜はPE、DPPG、PG、およびコレステロール(2:1:1:4)ならびにDPPGあるいはDMPCを使用した。OGミセル中アンテナ系タンパク質(LH-α,β)共存下ではBChl αおよびZn-BChl αのQy帯の長波長シフトがいずれも850-860nm付近で観測され、光合成細菌のアンテナ色素複合体と類似の複合体形成が認められた。また、タンパク質-色素複合体の脂質二分子膜中への導入はOGミセル中で形成させた色素複合体のQy帯の長波長シフトを観察して確認した。また、昨年検討したR.rubrumのアンテナ系タンパク質(LH-α,β)と同様にR.sphaeroidesから単離精製したアンテナ系タンパク質(LH-α,β)を用いても、天然と類似したアンテナ色素複合体をOGミセル中ならびに脂質二分子膜中で作成できることがわかった。さらに、モデルポリペプチドを用いた組織化の比較検討の結果、その組織化にはアンテナ系タンパク質のNおよびC末端側の親水性アミノ酸残基が大きな影響をもつことがわかった。この影響は、クロロフィル色素誘導体としてZnBChl αよりもBChl αを用いた場合に顕著であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Nango, A.Kashiwada, H.Watanabe, S Yamada, M.Ogawa, T.Tanaka, K.Iida: "Molecular Assembly of Bachteriochlorophyll α Using Light-harvesting Model 1α-Helix Polypeptides and 2a-Helix Polypeptide with Disulfide-linkage"Chem.Lett.. 312-313 (2002)
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[Publications] M.Ogawa, R.Kanda, T.Dewa, K.Iida, M.Nango: "Molecular Assembly of Light-harvesting Antenna Complex on ITO Electrode"Chem.Lett.. 466-467 (2002)
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[Publications] Y.Takeuchi, H.Watanabe, A.Kashiwada, M.Nagata, T.Ohtsuka, N.Nishino, H.Kawai, T.Nagamura, Y.Kurono, N.Oku, M.Nango: "Molecular Assembly of Zinc-Nickel Hybrid Porphyrin Dimer Using Synthetic 4α-Helix Polypeptides"Chem.Lett.. 848-849 (2002)
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[Publications] M.Nagata, M.Nango, A.Kashiwada, S.Yamada, S.Ito, N.Sawa, M.Ogawa, K.Iida, Y.Kuronoa, T.Ohtsuka: "Construction of Photosynthetic Antenna Complex Using Light-harvesting Polypeptide-α from Photosynthetic Bacteria, R.rubrum with Zinc Substituted Bachteriochlorophyll α"Chem.Lett.. (in press).