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2001 Fiscal Year Annual Research Report

基質特異的阻害剤をツールとするグリコシダーゼの生物有機化学的研究

Research Project

Project/Area Number 13480187
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

平竹 潤  京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高田 正保  日本食品化工(株), 研究員
水谷 正治  京都大学, 化学研究所, 助手 (60303898)
Keywordsグリコシダーゼ / グリコシルアミジン誘導体 / 基質特異的グリコシダーゼ阻害剤 / 基質アナログ / グリコン特異性 / アグリコン特異性 / アフィニティー吸着体 / ワンステップ精製
Research Abstract

本年度は、糖部分をグルコシルに固定し、さまざまなアルキルあるいはアリール基をアグリコン部分をもつ一連のβ-グルコシルアミジン誘導体を13種類合成し、グリコン基質特異性および立体特異性の異なる10種類のグリコシダーゼに対する阻害活性を調べた。その結果、単純なアルキルあるいはアリール基をもつβ-グルコシルアミジシは、一様に、カビ由来のβ-glucosidaseに対し強い阻害活性を示し、阻害定数(Ki)にして0.1μM以下の値が得られた。一方、異なる酵素ファミリーに属しアグリコン部の基質特異性が異なるアーモンドのβ-glucosidaseに対しては、アミジンのアグリコン部に導入した構造によって阻害活性に大きな違いが見られ、カビ由来の酵素との選択性は10^6倍にのぼった。アーモンド由来の酵素について、本酵素のアグリコン基質特異性に対応して、アリール基をもつグルコシルアミジンによって強く阻害される傾向が見られたことから、β-グルコシルアミジンは、グリコンのみならず、アグリコン部に対する酵素の結合にもとづき、阻害の選択性を自由にデザインできるユニークな阻害剤であることが示された。
一方、β-グルコシルアミジンをリガンドとしてアフィニティー吸着体を作製したところ、チャ葉から抽出したきわめて純度の低い粗酵素液から、1ステップで、ほぼ純粋のβ-glucosidaseをアフィニティー精製することに成功した。同様に、β-ガラクトシルアミジンをリガンドとするアフィニティー吸着体を作製し、カビ由来のβ-galactosidaseをクロマトしたところ、これも1段階で、ほぼ純粋のβ-galactosidaseが得られた。一方、β-glucosidaseはβ-ガラクトシルアミジンをリガンドとするカラムに全く吸着せず、同様に、β-galactosidaseはβ-グルコシルアミジンをリガンドとするカラムに全く吸着されなかった。このことは、グリコシルアミジンが酵素のグリコン部基質特異性ときわめてよく対応した選択的なリガンドとして機能していることを示している。さらに、本研究で作製したアフィニティー吸着体は、共通の担体、スペーサーの先端に、ワンポットで、望む構造のリガンド(グリコシルアミジン)をカセットのごとく導入できるため、簡便な操作で狙った酵素だけを釣り上げることのできるテーラーメードのアフィニティー吸着体として有用である。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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