2001 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲッティング法による転写制御因子BTEB及びBTEB2の機能解析
Project/Area Number |
13480200
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 義明 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00098146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 康夫 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10004467)
十川 和博 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (80175421)
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Keywords | BTEB / BTEB2 / ターゲッティングペクター / ホモ欠失マウス / in vitro / 標的遺伝子 / β-gal / T_3 |
Research Abstract |
BTEBとBTEB2の遺伝子DNAを各々単離し、第一エクソンをβ-galとneo遺伝子に置き換えたターゲッティングベクターを作成、常法に従いBTEBとBTEB2のヘテロ欠失マウスを産生した。BTEB(+/-)、BTEB2(+/-)マウスはいずれも正常に生まれてくることが分かった。BTEB(+/-)及びBTEB2(+/-)の各々の雌、雄をかけ合わせて、各々の遺伝子のホモ欠失マウスを作成したところ、BTEB(-/-)マウスは雄、雌共にメンデルの法則に従って正常に生まれて来たがBTEB2(-/-)は生まれて来ないことが分かった。胎児の発生過程を追跡した結果、BTEB(-/-)マウスは受精後3.5日までは発生は進むが、それ以後に死亡することが分かった。ブラストシストを取り出してin vitroで培養させても、野生型に比較して早く死ぬことが示された。致死の原因の探求をBTEB2の標的遺伝子探しと共に行っている。BTEB(-/-)マウスは見かけ上正常に生まれ、正常に発育し、繁殖も正常である。ノックインしたβ-galの発現から生後6日目位のシナプス形成期に小脳のプルキンエ細胞と海馬に顕著な発現が認められることから、マウスの行動の解析を行った。その結果、主として小脳の働きによると考えられるローターロッドテスト(回転棒テスト)を行ったところ、野生型と比較して明らかな能力の低下が認められた。また海馬の記憶に関係する行動としてcontextual fear conditioning testを行った結果、野生型に比較して明らかに記憶の獲得と保持の低下が観察された。BTEBは甲状腺ホルモン(T_3)によって著しくその発現が誘導されることが報告されており、T_3の標的遺伝子であると考えられている。T_3ホルモン分泌の異常は形態異常や精神遅滞などの症状を引き起こすが、BTEBは少なくとも、T_3ホルモン異常の一部の原因となっていることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hosoya, T., Oda, Y. et al.: "Defective development of secretory neurons in the hypothalamus of Arnt2-knockout mice"Genes to Cells.. 6. 361-374 (2001)
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[Publications] Sugihara, K., Kitamura, S. et al.: "Aryl hydrocarbon receptor (AhR)-mediated induction of xanthine oxidase/xanthine dehydrogenase activity by"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 281. 1093-1099 (2001)
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[Publications] Watanabe, T., Imoto, I. et al.: "Human arylhydrocarbon receptor repressor (AhRR) gene : genomic structure and analysis of polymorphism in endometriosis"J. Hum. Genet.. 46. 342-346 (2001)
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[Publications] Baba, T., Mimura, J. et al.: "Structure and expression of the Ah receptor repressor gene"J. Biol. Chem.. 276. 33101-33110 (2001)
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[Publications] Oikawa, K., Ohbayashi, T. et al.: "Dioxin suppresses the checkpoint protein, MAD2, by an AhR-independent pathway"Cancer rese.. 61. 5707-5709 (2001)
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[Publications] Kawane, T., Mumura, J. et al.: "Parathyroid hormone (PTH) suppresses rat PTH/PTH-related protein receptor gene promoter"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 287. 313-322 (2001)
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[Publications] Ogi, T., Mimura, J. et al.: "Expression of human and mouse genes encoding polk : testis-specific developmental regulation and AhR-dependent inducible transcription"Genes to Cells. 6. 943-953 (2001)