2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア移行のタンパク質フラックスの管制と制御の分子機構
Project/Area Number |
13480207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 周一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10252222)
吉久 徹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (60212312)
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Keywords | ミトコンドリア / タンパク質輸送 / 酵母 / タンパク質フラックス / 行き先シグナル / プレ配列 |
Research Abstract |
ミトコンドリア機能維持の中心的プロセスは,サイトゾルで合成された500〜1000種類に及ぶミトコンドリアタンパク質前駆体のミトコンドリア移行である。ミトコンドリアは外膜,膜間部,内膜,マトリクスの4つの区画から構成されているので,ミトコンドリタンパク質の流れ(フラックス)は各区画に向かう4つの流れに分岐する。本研究では,酵母ミトコンドリアタンパク質のフラックスの管制と制御における分子認識に焦点を絞り,前駆体中の目的地/分岐シグナルがTOM/TIMに正しく認識される仕組みの解明をめざす。 われわれは,プレ配列には複数のマトリクス移行シグナルが書き込まれており,複数のプレ配列結合タンパク質がこれらのシグナルを認識するという「多重シグナルモデル」を提案した。このモデルを検証するために,Tom20以外のプレ配列結合タンパク質の候補であるTom22のサイトゾルドメインを調整し,同位体ラベルしたプレ配列ペプチドに加え,ペプチドのNMRシグナルの化学シフト変化を追跡することにより,プレ配列中のTom22結合部位を同定した。明らかになったTom22結合部位は,先に同定したTom20結合部位とは異なること,結合は塩濃度感受性を示し,主として静電的相互作用によるものであることがわかった。 ADP/ATPキャリア(AAC)など内膜に向かうタンパク質の多くはプレ配列を持たない。これらのタンパク質は外膜通過後,膜間部の可溶性タンパク質であるTim9/Tim10複合体により認識され,内膜へ挿入される。無細胞タンパク質合成系において,AACに部位特異的かつ系統的に光反応性非天然アミノ酸を導入した。単離ミトコンドリアへの取り込み実験で膜透過反応中間体を形成させ,光架橋反応によりアミノ酸残基レベルの空間分解能で,AACとTim9,Tim10(及び他のTom,Timタンパク質)との相互作用をマッピングした。その結果,Tim9/Tim10複合体のTim10がキャリアタンパク質の内膜への分岐シグナルを認識し,Tim9が疎水性領域をマスクして膜間部の可溶性環境の通過を可能にすることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Nakatsukasa et al.: "Mnllp, an α-mannosidase-like protein in yeast Saccharomyces cerevisiae, is required for endoplasmic reticulum-associated degradation of glycoproteins"J.Biol.Chem.(Communication). 276. 8635-8638 (2001)
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[Publications] T.Muto et al.: "NMR identification of the Tom20 binding element in mitochondrial presequences"J.Mol.Biol.. 306. 137-143 (2001)
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[Publications] S.Nishikawa et al.: "Molecular chaperones in the yeast ER maintain the solubility of proteins for retro-translocation and degradation"J.Cell Biol.. 153. 1061-1039 (2001)
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[Publications] A.Kawai et al.: "Loss of the mitochondrial Hsp70 functions causes aggregation of mitochondria in yerast cells"J.Cell Science. 114. 3565-3574 (2001)
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[Publications] T.Endo, D.Kohda: "Functions of outer membrane receptprs in mitochondrial protein import"Biochim.Biophys.Acta. (in press). (2002)
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[Publications] 遠藤斗志也: "オルガネラ形成と分子シャペロン:細胞が用意したタンパク質支援システム"生物の科学 遺伝別冊「ゲノムから見た細胞の世界」. (in press). (2002)
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[Publications] 西川周一, 遠藤斗志也(分担執筆): "輸送:小胞体"分子シャペロンによる細胞機能制御(永田和宏, 森正敬, 吉田賢右 編). 66-74 (2001)
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[Publications] 河合明美, 西川周一, 遠藤斗志也: "ミトコンドリアの生態学"日本臨壯 増刊「ミトコンドリアとミトコンドリア病」. (in press). (2002)