2002 Fiscal Year Annual Research Report
中心体・ゴルジ体に局在する巨大アンカリング蛋白質CG-NAPの機能解析
Project/Area Number |
13480209
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 功貴 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (10243297)
|
Keywords | 蛋白質リン酸化酵素 / PKN / PKC / アンカリング蛋白質 / CG-NAP / 中心体 / ゴルジ体 |
Research Abstract |
様々な細胞外刺激が受容体を介して引き起こす細胞内シグナル伝達において主要な役割を担う蛋白質リン酸化反応は、蛋白質リン酸化酵素および脱リン酸化酵素の綿密な連携により制御されている。一般に広い基質特異性を示すこれらのシグナル伝達因子の作用に特異性を与える制御として、セカンドメッセンジャー刺激に対応した活性化という時間的制御のほかに、基質の局在する細胞内微小環境へのターゲッティングという空間的制御も重要であることも知られつつある。このようなターゲッティングの一部は、シグナル伝達因子と結合し、かつ特異的な細胞内局在をするアンカリングプロテインと呼ばれる蛋白質を介して行われることが明らかになりつつある。我々の研究室では、従来よりプロテインキナーゼC(PKC)関連酵素で低分子量GTP結合蛋白質Rhoの標的蛋白質の一つであるPKNの機能について解析してきている。その過程でPKN結合蛋白質として中心体およびゴルジ体に局在する分子量約450KDaの巨大蛋白質CG-NAP(centrosome and Golgilocalized PKN-associated protein)を見出し、本蛋白質がPKNのみならず他の蛋白質リン酸化酵素(PKA, PKCε)や脱リン酸化酵素(PP2A, PP1)などの複数のシグナル伝達因子と特異的に結合する新規アンカリングプロテインであることを明らかにしてきた。本研究では、このCG-NAPの機能を解析することにより、シグナル伝達因子そのもの、あるいは複数のシグナル因子のクロストークにおける空間的制御の解明の一助にすることを目的とした。以下に本年度得られた研究実績の概要を記す。 1)中心体構成分子としてのCG-NAPの機能解析 中心体においてCG-NAPはγ-チューブリンリング複合体と結合することにより微小管形成開始の場を形成している可能性につき詳細な解析を行った。 2)中心体複製におけるCG-NAPの機能解析 各種欠損変異体を用いた解析により、CG-NAPの中心体への局在を規定している領域を同定した。また、CHO細胞をヒドロキシウレア処理することにより中心体の複製を観察できる系を確立し、この系を用いて、各種CG-NAP欠損変異体を導入することにより、CG-NAPの中心体複製における機能を解析した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Calautti, E.: "Fyn tyrosine kinase is a downstream mediator of Rho/PRK2 function in keratinocyte cell-cell adhesion"J. Cell Biol.. 156. 137-148 (2002)
-
[Publications] Takahashi, M.: "Centrosomal proteins CG-NAP and Kendrin provide microtubule nucleation sites by anchoring γ-tubulin ring complex"Mol. Biol. Cell. 13. 3246-3256 (2002)
-
[Publications] Sillibourne, J.E.: "Centrosomal anchoring of the protein kinase CK1δ medicated by attachment to the large, colied-coil scaffolding protein CG-NAP/AKAP450"J. Mol. Biol.. 322. 785-797 (2002)
-
[Publications] Takahashi, M.: "Regulation of a mitogen-activated protein kinase kinase kinase, MLTK by PKN"J. Biochem.. 133. 181-187 (2003)