2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480216
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽我部 正博 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10093428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 秀利 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70124435)
辰巳 仁史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20171720)
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Keywords | SAチャネル / 構造機能連関 / Kcaチャネル / 心筋 / 細胞骨格 / 接着斑 / ストレス |
Research Abstract |
我々は、ごく最近、真核生物としては初めてのCa^<2+>透過型SAチャネルの遺伝子(midl)を同定することに成功した(1999)。本計画はこの発見を土台にして、SAチャネルの構造機能連関と生理機能の解明を目指して、1)Midl/SAチャネルの構造機能連関の解析、2)高等生物のSAチャネル(midlホモログ遺伝子を含む)の同定と構造解析、および3)機械刺激依存性細胞応答のシグナル機構とSAチャネルの関係解析を行うことを目的とする。平成14年度は主として2)と3)を中心に研究を進め、以下の結果を得た。(1)高等生物SAチャネルの構造機能連関: KSAcaチャネル:我々は、昨年度トリ心筋から伸展感受性のBigKcaチャネル遺伝子をクローニングしてCHO細胞での機能発現に成功した。本年度は、特にその機械センサードメインの同定に力を注いだ結果、C末端領域の59アミノ酸からなるSTREX配列が必須であることを突き止めた。さらに詳しい解析により、そのうちの3-4アミノ酸残基が責任部位であることも発見した。現在この部位がどのような仕組みで膜伸展をセンスするのかを知る目的で、その部位特異的に結合する蛋白質の同定を進めている。(2)機械刺激依存性細胞応答におけるSAチャネル/細胞骨格の役割:我々はこれまでに内皮細胞をにおける伸展依存性リモデリング(形態変化)のシグナル機構の解析を進め、SAチャネルと細胞骨格が必須であることを解明したが、両者の関係は不明であった。そこで、まず細胞外マトリックスを塗布したビーズを細胞上面に置いて接着斑を形成し、細胞骨格がその接着斑と底面の接着斑を連結する構造を作った。次にそのビーズを動かして細胞骨格を牽引し、底面接着斑にストレスを加えてSAチャネルの活性化を高速Ca^<2+>イメージングでモニターした。その結果、SAチャネルは接着斑近傍に分布し、細胞骨格を介したストレスで速やかに活性化されるが、細胞骨格非存在下では、同程度の膜伸展を与えても活性化されないことが分かった。即ち細胞骨格は膜伸展をSAチャネルに伝えるインターフェースであることが分かった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hoshino T, Tatsumi H, Nakashima T, Sokabe M.: "In vitro Reconstitution of Signal Transmission from a Hair Cell tothe Growth Cone of a Chick Vestibular Ganglion Cell"Neurosciences. (In Press). (2002)
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[Publications] Kawai M, Naruse K, Komatsu S, Kobayashi S, Nagino M, Nimura Y, Sokabe M.: "Mechanical Stress-dependent Secretion of Interleukin 6 by Endothelial Cells after Portal Vein Embolization : Clinical and Experimental Studies"J Hepatol. 37(2). 240-246 (2002)
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[Publications] Inou H, Ishiguro N, Sawazaki S, Amma H, Miyazu M, Iwata H, Sokabe M, Naruse K.: "Uni-axial stretch induces the activation of transcription factor, nuclear factor NFK-B, in human fibrbalast cells"FASEB J. 16(3). 405-407 (2002)
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[Publications] 曽我部 正博: "見えてきたイオンチャネルの開閉機構"現代化学. 378. 10-11 (2002)
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[Publications] 曽我部 正博: "ついにわかったKチャネル:驚くべき、しかし美しき結論"蛋白質 核酸 酵素. 47. 590-599 (2002)
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[Publications] 曽我部正博, 早川公英, 河上敬介, 成瀬恵治, 辰巳仁史: "機械刺激に対する細胞の形態応答とインテグリン/細胞骨格系の役割"バイオレオロジー. 16(1). 8-20 (2002)
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[Publications] 曽我部 正博: "伸展活性化チャネル、In 「KEY WORD分子高血圧」(荻原他編)"先端医学社. 311 (2002)