2003 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌および線虫のAAAタンパク質の構造と機能の解析
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13480232
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小椋 光 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00158825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (90212290)
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Keywords | 大腸菌 / 線虫 / シャペロン / ATPase / AAAタンパク質 / ミトコンドリア / 遺伝性痙性対麻痺 / ポリグルタミン病 |
Research Abstract |
AAAプロテアーゼFtsHの解析 1.FtsHの基質トランスロケーションに働くATPaseリングの入口に位置する芳香族残基の変異体の解析から、「糸通しモデル」を支持する結果を得た。AAAタンパク質に共通の機構である可能性を考察した。 2.FtsH ATPaseリングの基質の通り道(孔の内部)に位置する酸性残基が機能的に重要であること、その変異がATPase活性に有意に影響を及ぼすことを確認した。基質のトランスロケーションとATP加水分解サイクルの連携について解析している. 3.蛍光標識基質のFtsHによる加水分解反応を追跡し、基質分解の方向性を決定し、蛍光偏光法により基質分解のエネルギーコストを算出した. 4.FtsHのサブユニットに1個の蛍光色素を導入し、FtsHオリゴマーのサブユニット数を1分子イメージングで決める実験を行っている。 線虫のAAAタンパク質の解析 1.線虫のfidgetin(マウスの頭部形成に必要な因子)ホモログF32D1.1を精製し、提唱しているATP加水分解の「分子間触媒機構」を支持する結果を得た。 2.FidgetinホモログF32D1.1とマウスの精子形成に関与するSPAFと高い相同性を示すK04G2.3が、生殖腺の形態形成に重要な因子であることを明らかにした。 3.線虫のparaplegin(遺伝性痙性対麻痺の原因因子)ホモログのRNAiノックダウン株について成長遅延・進行性の運動能低下、ミトコンドリア異常を観察した。 4.体壁筋で鎖長依存的ポリグルタミン凝集体形成を観察し、凝集体形成が加齢非依存的であること、細胞毒性を示さないことを明らかにした。p97/VCPホモログの共発現による凝集体形成の部分抑制を観察した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Yamada-Inagawa, T.: "Conserved pore residues in the AAA protease FtsH are important for proteolysis and its coupling to ATP hydrolysis"J.Biol.Chem.. 278. 50182-50187 (2003)
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[Publications] Okuno, T.: "Spectrometric analysis of degradation of a physiological substrate σ^<32> by Escherichia coli AAA protease FtsH"J.Struct.Biol.. 146. 148-154 (2004)
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[Publications] Yamanaka, K.: "Analysis of the two p97/VCP/Cdc48p proteins of Caenorhabditis elegans and their suppression of polyglutamine-induced protein aggregation"J.Struct.Biol.. 146. 242-250 (2004)
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[Publications] Ogura, T.: "Conserved arginine residues implicated in ATP hydrolysis, nucleotide-sensing, and inter-subunit interactions in AAA and AAA^+ ATPases"J.Struct.Biol.. in press.
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[Publications] 奥野 貴士: "AAA ATPaseの構造とタンパク質リモデリングの分子機構"生物物理. 43. 244-247 (2003)
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[Publications] 小椋 光: "蛋白質の細胞内リサイグリングシステム(原核細胞)"蛋白質核酸酵素. in press.
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[Publications] 小椋 光: "アンフォールダーゼとしてのAAA蛋白質"蛋白質核酸酵素. in press.
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[Publications] 山中 邦俊: "線虫を用いたAAA蛋白質に起因する神経変性疾患モデル"蛋白質核酸酵素. in press.
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[Publications] Akiyama, Y.: "Handbook of Proteolytic Enzymes, 2nd edition (A.J.Barrett, N.D.Rawlings, J.F.Woessner (ed.))"Academic Press (in press). (2004)