2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480239
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河野 憲二 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都留 秋雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育センター, 助手 (80273861)
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
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Keywords | 小胞体ストレス / IRE1 / ストレスセンサー / マイクロアレイ / 28srRNA |
Research Abstract |
近年、細胞内外での変性タンパク質の蓄積、生体に重篤な影響を与えていることが続々と報告されている。なかでも神経変性疾患の1つの要因として、小胞体に変性タンパク質が蓄積したことに対し細胞が適正な応答ができないことが明らかとなってきた。このことから、構造異常タンパク質をどのように感知しその情報をどのように伝えていくのかを明らかにすることは、それらの疾患を改善していくためにも重要である。本研究は、小胞体ストレスセンサー蛋白質Ire1pが小胞体内の構造異常蛋白質の蓄積をどのような分子機構で感知し、そのシグナルをどの分子に伝えていくのかを明らかにすることを目的としている。小胞体内異常タンパク質蓄積のセンシング機構は、酵母から高等生物に至るまで保存されており、小胞体膜上の膜貫通タンパク質Ire1pが重要な役割を担っている。我々はこれらの感知に、Ire1pと小胞体シャペロンBiPとの相互作用が重要であることを見出した。本年は、BiPの変異株を用い、BipとIre1pとの結合状態が、小胞体ストレス感知と非常によく連関していることを明らかにした。また、動物細胞でのIRE1ホモログは2種類(IRE1α、IRE1β)あり、これらの作用が違うことを見出しているので、その標的因子の探索を行った。IRE1αは多くの組織で発現しているが、IRE1βは消化器系でのみ発現している。培養細胞でIRE1βを強制発現すると、28SrRNAを切断し細胞死を起こすことがわかった。種々の消化器系由来の培養細胞株の中から、IRE1βを発現している細胞株を見出した。現在この株を用いて、小胞体ストレスをかけた時に細胞死が起きるのかどうか、また28SrRNAの切断は起きるのかどうかを調べている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Iwawaki, Hosoda, Okuda, Kamigori, Nomura, Kimata, Tsuru, Kohno: "Translational control by the ER transmembrane kinase/ribonuclease IRE1 under ER stress"Nature Cell Biology. 3. 158-164 (2001)
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[Publications] 都留秋雄, 河野憲二: "小胞体ストレス応答に関与する膜キナーゼの機能"細胞工学. 21(印刷中). (2002)
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[Publications] 岩脇隆夫, 河野憲二: "小胞体ストレスにおけるIRE1による翻訳抑制"実験医学. 19. 981-983 (2001)