2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480259
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲嶋 一範 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90280734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味岡 逸樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10348790)
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Keywords | 神経細胞移動 / 大脳皮質構築 / 細胞凝集 / 層形成 |
Research Abstract |
発生期の大脳皮質において、神経細胞は、脳室に面した脳室帯で誕生し、中間帯を通過して脳表面側の辺縁帯直下まで移動して、最終的に配置され、整然と並んでいく。この移動過程の繰り返しにより、早生まれの細胞は最終的に皮質板のより深層に、遅生まれの細胞はより浅層に配置され、全体として6層からなる皮質板が構築される。本研究では、前年度までに、胎生16日のマウス大脳皮質脳室帯及び中間帯の細胞を用いた分散一再凝集培養系により、(古い)早生まれの神経細胞と(新しい)遅生まれの神経細胞が互いに分離することを明らかにした。本年度は、さらに、ブロモデオキシウリジンを用いて、胎生16日のマウス大脳皮質脳室帯及び中間帯の細胞を各発生時期においてラベルし、ラベル時点で最終分裂して誕生した神経細胞間の関係を、分散一再凝集培養系により検討した。その結果、培養開始時において既に中間帯に出ている胎生14日生まれの神経細胞(将来IV層を構成)は、最終的に凝集塊の中心近くに配置し、培養開始時に脳室帯に局在していた15.5日生まれの細胞(将来II/III層を構成)は、周辺近くに分散することを見いだした。一方、胎生14.5日の大脳皮質神経細胞を、胎生13日または14日にラベルして同様に培養したところ、胎生14日生まれの細胞は、培養開始時にはまだ脳室帯に局在しているにもかかわらず、最終的に凝集塊の中心近くに配置し、一方、13日生まれの細胞(将来V/VI層を構成)は、培養開始時に既に中間帯に出ているにも関わらず、凝集塊の周辺近くに配置されることを見いだした。すなわち、凝集塊内での配置は、培養時点で細胞が局在する部位の相違を反映したものではなく、細胞の誕生時期に依存していることが示唆された。以上の結果から、脳室帯で産生された大脳皮質神経細胞は、その誕生時期に依存して相互に凝集し、他の時期に誕生した細胞と分離する傾向を有することが明らかになった。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Ken-ichiro Kubo: "Secreted Reelin molecules form homodimers"Neurosci. Res. 43. 381-388 (2002)
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[Publications] Hidenori Tabata: "Neurons tend to stop migration and differentiate along the cortical internal plexiform zones in the Reelin signal-deficient mice"J. Neurosci. Res. 69. 723-730 (2002)
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[Publications] Ken-ichiro Kubo: "Cell and molecular mechanisms that control cortical layer formation in the brain"Keio J. Med.. (in press).
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[Publications] Takao Honda: "Cellular and molecular mechanisms of neuronal migration in neocortical development"Sem. in Cell & Develop. Biol.. (in press).
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[Publications] 仲嶋一範: "大脳皮質形成のメカニズム"慶應医学. 79. 135-143 (2002)
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[Publications] 工藤千加子: "神経細胞の移動と配置決定のメカニズム"Brain Medical. 14. 371-377 (2002)
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[Publications] 田畑秀典: "大脳皮質神経細胞の移動様式"神経細胞移動と軸索伸長のダイナミクス(蛋白質核酸酵素). 47. 1994-2001 (2002)
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[Publications] 仲嶋一範: "大脳皮質構築とReelin"Annual Review神経2003. 10-17 (2003)
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[Publications] 田畑秀典: "組織幹細胞:神経(細胞移動)"再生医学(Molecular Medicine臨時増刊号). 40. 287-297 (2003)
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[Publications] 仲嶋一範: "遺伝子導入・発現解析プロトコール"羊土社(印刷中). (2003)