2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13480260
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (10232076)
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Keywords | Zic / 蛋白質・蛋白質間相互作用 / 転写因子 / 遺伝子発現調節 / マイクロアレイ解析 / 神経発生 / 神経突起伸展制御 / 骨格形成 |
Research Abstract |
Zicファミリーは、ショウジョウバエのpair-rule遺伝子odd-pairedのホモログであり、マウス成獣では小脳に強く限局して存在するzincフィンガー型の蛋白質をコードしており、外胚葉から、神経外胚葉、神経堤の形成される過程の促進、神経細胞分化の抑制、椎骨の背側部分の分節的構造、肢芽の構造の形態形成制御、内臓の左右軸の決定などの機能を持つことを明らかにしてきた。本研究では、Zic蛋白質の転写因子としての下流標的遺伝子の探索、Zic結合蛋白質の探索により、Zic蛋白質の分子作用機序を明らかにすることを目的としている。これまでに、Zicの最適化DNA標的配列の決定、転写因子としての基本的性質、Gli蛋白質とのZincフィンガードメインを介した蛋白質・蛋白質間相互作用についての解析を行ってきた。今年度はZic蛋白質に結合する蛋白質を酵母2ハイブリッド法を用いて探索した。その結果、いくつかの結合蛋白質を同定することができ、それぞれの蛋白質蛋白質間結合の個体発生における意義を検討した。そのうち椎骨ないし肋骨の形態形成制御に重要な働きを持つと考えられる遺伝子群との協調的ないし、拮抗的な関係をマウス、ツメガエル、ニワトリなどのモデル生物系を使い解析した(投稿中)。さらに、Zicファミリーの変異マウスにて発現が変動する遺伝子をマイクロアレイ解析により系統的に探索した。そのうち、Zic1ないしZic2変異マウスにおいて発現が変動していた2種の遺伝子にについて解析をおこなった。そのうちのSlitrkファミリーは主に神経組織に発現している、新規の膜貫通性の蛋白質で神経突起伸展制御に関わることを明らかにした。一方、Dorz1は小脳顆粒細胞において細胞分裂周期から離脱し神経突起伸展を始めた小脳顆粒細胞に発現しており、Zic1変異マウスで発現が有意に低下してした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Aruga, J. et al.: "Identification and characterization of Slitrk, a novel neruonal transmembrane protein family controlling neurite outgrowth"Mol.Cell.Neurosci.. (in press).
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[Publications] Hoshino, J. et al.: "Dorzl, a novel gene expressed in differentiating cerebellar granule neurons, is down-regulated in Zic1-deficient mouse"Mol.Brain Res.. (in press).
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[Publications] Kitaguchi, T. et al.: "Xenopus Brachyury regulates mesodermal expression of Zic3, a gene controlling left-right asymmetry"Dev.Growth Diff.. 44. 55-61 (2002)
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[Publications] Aruga, J. et al.: "Zic1 promotes the expansion of dorsal neural progenitors in spinal cord by inhibiting neuronal differentiation"Dev.Biol.. 244. 329-341 (2002)
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[Publications] Aruga, J. et al.: "Zic2 controls the cerebellar development in cooperation with Zic1"J.Neurosci.. 22. 218-225 (2002)