2003 Fiscal Year Annual Research Report
色知覚の異なる側面における下側頭皮質と前頭前野の役割の研究
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13480271
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Research Institution | Okazaki National Reserch Institutes |
Principal Investigator |
小松 英彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00153669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 正 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (50311197)
伊藤 南 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20311194)
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Keywords | 視覚 / 弁別 / 下側頭皮質 / 前頭前野 / ニューロン活動 / 色覚 / カテゴリー / サル |
Research Abstract |
色弁別タスクと色カテゴリー分類タスクを行わせたサルの下側頭皮質から細胞外電位記録を行った。 色弁別タスクでは二者強制選択法を用いた。固視中に色刺激が500ms間呈示され、その刺激が消えると同時に、二種の色刺激が上3度下3度の位置に呈示される。上下の色刺激のうち一方は最初に呈示された刺激と同一色であり、他方は異なる。サルは同一色の方へサッケードする。CIE1931xy色度図上で赤から緑へ均等に分布する11点の色を用意したところ、少なくとも3点難れた色(CIExy平面の距離で0.130)であれば95%以上(サル1)85%以上(サル2)の正答率で色弁別を行うことができた。 色カテゴリータスクでは、GO/NO-GO応答法を用いた。固視中に色刺激が500ms間呈示され、その刺激が消えると同時に、中央0度と右6度に小さな光点が呈示される。赤から緑へ均等に分布する11色のうち、赤側の5色ではNO-GO応答として固視を続け、緑側の6色にはGO応答として右へサッケードをする。ただし、サル2の場合は境界の3色では強化学習を行なわず、応答によらず50%の確率で報酬が与えられる。境界近傍の2色を除けば、90%以上の正答率でGO/NO-GO応答を行うことができた。 次に、サルの下側頭皮質内のTE野から単一細胞外電気応答を記録した。七つの幾何学図形と15色で刺激選択性を調べたところ形によらず色にのみ選択性をもつニューロンが集中して存在する領域が存在した。この領域の色選択ニューロンの応答を色弁別タスク時と色カテゴリー分類タスク時で比較すると、応答の色選択性には差は見られなかった。このことは、TE野では認知や行動への利用され方によらず、色情報のみが安定してコードされていることを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ito M, Komatsu H: "Representation of angles embedded within contour stimuli in area V2 of macaque Monkeys."J.Neuroscience. (in press).
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[Publications] 小松英彦: "大脳皮質で見る色"脳21. 6(4). 394-399 (2003)
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[Publications] 小松英彦: "主観的知覚としての視覚 脳神経科学(伊藤正男監修)"三輪書店、東京、2003. 841 (2003)