2001 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物に特異的なネトリンGサブファミリーの機能解析
Project/Area Number |
13480272
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
糸原 重美 理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, チームリーダー(研究職) (60252524)
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Keywords | ネトリン / ネトリンG / GPIアンカー / ニューロン / 膜タンパク質 / 軸索 |
Research Abstract |
ネトリンG1は軸索誘導因子であるネトリンに構造的に類似するが、GPIアンカーにより膜表面に結合され、受容体を古典的ネトリンと共有しない分子として同定された。新たに、UNC-6/ネトリンファミリー内でネトリンG1と共にサブファミリーを形成するネトリンG2遺伝子を同定した。ネトリンG2もGPIアンカーにより膜表面に結合され、受容体を古典的ネトリンと共有しない。固層化したネトリンG1およびネトリンG2は胎児の大脳皮質および視床から分離した細胞の神経突起伸長誘導活性を、有する事を明かとした。また、固層化した抗ネトリンG1抗体は胎児視床由来細胞に形態的変化を誘導した。一方、ネトリンG1は軸索表面に分布する事を明かとした。これらの結果に基づき、ネトリンGサブファミリー分子は、未知の受容体を介してその受容体を発現する細胞へのシグナル伝達とともに、ネトリンGサブファミリー分子を発現するニューロンの細胞内へのシグナル伝達の両方向シグナル伝達分子として働く事を示唆した。以上の結果は、ネトリンGサブファミリー分子が古典的ネトリンから独立した機能を有する事を示唆している。また、ネトリンG1とネトリンG2は始どの脳領域で相互排他的に発現するので、生体内では殆ど機能的に重複しないと考えられる。これらの成績については、Mechanisms of Development誌に報告した。ネトリンG1およびネトリンG2遺伝子の欠損変異マウスを作製し、その表現形を形態学的、行動学的、および電気生理学的に解析中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nakashiba T., Nishimura S., Ikeda T., Itohara S.: "Complementary expression and neurite outgrowth activity of netrin-G subfamily members"Mechanisms of Development. 111. 47-60 (2002)